秋が過ぎ、冬に向けてどんどん冷え込んでいく季節。風邪が流行りだす前に健康を意識していろいろと準備をされている方も多いのではないでしょうか?その中でも、特に体調管理に直結するのは食事。ご家庭でも栄養たっぷり野菜たくさんの料理を作りたいですよね。
一人暮らしの方は自炊のために野菜を買い込んでも、使いきれないこともしばしばあるのでは。また、野菜の切れ端や芯の部分は、捨てるにはもったいないけれど活用方法もなかなか見つからなかったりします。結局ゴミ箱に…なんてことになっていませんか?
そんなみなさんに注目して欲しいのが、野菜だし“ベジブロス”!栄養満点で美味しく、寒い季節の味方です。今回は誰でも簡単にできるベジブロスの作り方と料理への活用法をまとめてみました。
ベジブロスってそもそも何?
中々聞きなれない方も多いかもしれませんが簡単に言うと“野菜だし”。ヘタや芯、皮などを煮出してつくるだしのことを“ベジブロス”と言います。
にんじんや玉ねぎのヘタ、ネギのちょっと硬いところ、食感を良くするためにむいてしまった皮…。毎日の料理ではこのような野菜の切れ端やくずがどうしても出てしまいます。使い途がないと思ってそのまま捨ててしまう人が多いと思いますが、実はこれらの箇所には豊富な栄養素が詰まっています。これらを捨ててしまうのは大事な栄養源を捨ててしまっていることになるのです。
ベジブロスは魚や肉から煮出すパンチのあるだしではなく、野菜ならではの甘みや風味が染み出した、まろやかな味わいが特徴。和食でも洋食でもどんな料理にも使え、味に深みが出ます。
また、野菜を煮込んで加熱して抽出できるものをファイトケミカルと呼ばれています。
ファイトケミカルとは、野菜、果物、豆類、芋類、海藻、お茶やハーブなど、植物性食品の色素や香り、アクなどの成分から発見された化学物質です。
ファイトケミカルは抗酸化作用、免疫系制御、解毒酵素誘導など、健康に重要な効果をもたらすことがわかってきました。とっても風味のある美味しいだしと共に、たっぷりの栄養も取れて最強の料理なのです。
ベジブロスの作り方
両手程の野菜の切れ端などが集まったら早速ベジブロスを作ってみましょう。作り方はとてもかんたん。野菜くずを水とお酒を弱火でじっくり煮出す、これだけです。
ベジブロスに使えない野菜は特にありません。
香りが良くなるセロリやパセリ、味・色共に良くなる玉ネギの皮はぜひ入れたい野菜。これらをベースに、多くの種類の野菜を入れるほどおいしくなります。栄養価の高い旬の野菜を使うのがお勧めです。
ゴーヤなど苦みのある野菜や、カボチャの種・キャベツやブロッコリーの芯などのアクが出る野菜は、あまりベジブロスには向かないと言われます。好みによるので一概には言えませんが、入れるとしてもまずは少なめのほうがいいかもしれません。
※筆者も試してみました。セロリ、ニンジン、玉ねぎなどオーソドックスな野菜からチャレンジ。
(撮影:LIFESTYLE More 編集部)
皮やヘタもふんだんに使ってみたところ、いい感じの黄金色になりました。
(撮影:LIFESTYLE More 編集部)
豚バラ肉をそのまま煮込み、ポトフにしていただきました。ベジブロスに醤油、塩コショウを少々使ったシンプルな味付けです。サッパリとした味わいながらも素材独自の味が染みわたり美味しいでです。
(撮影:LIFESTYLE More 編集部)
ベジブロスを使った料理のつくり方
非常に簡単に作れるベジブロスは使い方も多種多様。そんな万能ベジブロスを使った代表料理を見ていきましょう。
1.ソーセージとゴロゴロ野菜のポトフ
一番の定番といえばやっぱりポトフ、ベジブロスに食べたい野菜やジャガイモ、ソーセージをゴロゴロっと入れて煮込むだけ。コンソメなので味を調整するのがいいでしょう。
2.チキンライス
炊飯器に材料を入れてスイッチを押すだけの、“シンガポールチキンライス”!ができます。
ベジブロスで炊くので、野菜のうまみがたっぷり◎
3.ベジブロスカレー
いつもは水を入れて作るカレーですが、水をベジブロスに変えてみてください。「ルウの味で風味が消えてしまうのでは?」と思いますが、そんなことはありません!カレーに奥深い味わいが加えられ、ベジブロスのイチ押しの使い方です。
まとめ
いかがでしたでしょうか。何気なく捨てていた野菜くずは料理を引き立てる魔法のスープになるんです。
これから冬に向けて気温が下がり風邪が流行ってきます。栄養満点で温かいベジブロススープを使い、冬の献立を楽しんでみませんか。