オーガニックと聞くとなんだか”良さそう”というイメージで、そこまでオーガニックにこだわっているわけではなかったとしても、ついつい選んでしまうことってありますよね?
調べてみると「ECOCERT(エコサート)」や「USDA」「JOCA」などいろんな認証があることがわかります。
でも、なにが対象なのか、基準はどう違うのか、などちょっと複雑そうですよね。
今回は、そんな「オーガニック」とその「認証マーク」について、農産物・コスメ・繊維の分野に分けて6つご紹介します。
目次
1. 「オーガニック」のおさらいと認証について
2. 有機農産物には【有機JASマーク】が必須
3. オーガニックコスメの認証ならこの3つ
①ECOCERT(エコサート)
②USDA
③JOCA推奨品マーク
4. オーガニック繊維には2つの世界基準
①GOTS(オーガニックテキスタイル世界基準)
②OCSオーガニック認証
5. オーガニックを選択するときには認証マークにも注目!
1. 「オーガニック」のおさらいと認証について
「オーガニックって何がいいの?」と聞かれたら、あなたは答えられますか?
オーガニックとは、
”農産物の栽培に当たって農薬や化学肥料など化学的なものを一切使わないこと。 無農薬有機栽培。(引用:広辞苑)”
つまり、化学的なものを使っていない、天然の素材が使われている、ということで、添加物や残留農薬による健康リスクが少ないと考えられています。
また、別の視点から考えると、“オーガニック”は“サスティナブル”でもあります。化学的なものを使わないので、環境にも優しく、自然の生態系をそのままに、持続可能な地球に貢献します。
では、「オーガニック」と書かれているものなら、全て安全安心なのでしょうか?残念ながらそうではない場合もあるようです。
一口にオーガニックといっても、実はものによってその基準は異なります。農産物や加工食品などのように口にするものなのか、はたまた化粧品や繊維製品なのか。
生産者が生産したものが本当に無農薬で化学的なものを使わずに作られたものなのか、それを第三者が証明している証として、オーガニックの認証マークが存在するのです。
2. 有機農産物には【有機JASマーク】が必須
日本の有機農産物・有機加工食品・有機畜産物・有機肥料においては、登録認証機関の検査による有機JAS認証が必ず必要となっています。
【有機JASマーク】を取得した農産物のみが「有機○○」「オーガニック○○」等の表示を許されており、仮に「オーガニック」とか「有機」などの表記があるにも関わらず、それが有機農産物等でないとすると、それは法律違反となります。
その性質の違いから、それぞれのカテゴリーごとに詳細な基準は異なりますが、それぞれに日本農林規格があります。
参照:有機食品の検査認証制度|農林水産省
オーガニック食品を選ぶ際には、有機JAS認証の表記があれば信用できると考えることができるのです。
3. オーガニックコスメの認証ならこの3つ
一方、コスメ(化粧品等)の原料においては、統一された基準がありません。
というのも、コスメの原料は農産物などに適用される有機JAS認証のカテゴリーに当てはまらないのです。そのため、消費者に向けて信用できる成分を証明するためのさまざまな認証機関が存在します。
ここでは、オーガニックコスメに適用されている主な認証マークを3つご紹介します。
①ECOCERT(エコサート)
「エコサート」はフランスの国際有機認証機関ですが、オーガニックコスメ認証の世界シェア75%を誇っており、世界基準のスタンダードとなっています。そのため、オーガニックコスメに注目していると、このマークを見かけることは多いと思います。
主な基準には、
・完成品の95%以上が天然由来である
・植物原料の95%以上がオーガニック原料である
・化学原料は完成品の5%未満である
などがあります。
また、エコサートを含む5つの認証機関が合同で策定している「COSMOS基準」というものもあります。
参照:エコサート・ジャパン株式会社
②USDA
米国農務省のオーガニック認証マークで、NOP(National Organic Program)という機関のオーガニック食品基準に基づいて認証が行われます。食品基準ではありますが、化粧品に対しても採用されることが多いようです。
95%以上がオーガニック原料で作られていいるもののみ、USDAマークの表示が許されています。
その認証は世界で最も厳しいとも言われているようで、原材料はもちろん、工場等に対しても厳格な基準が設けられています。
参照:Organic Production and Handling Standards
③JOCA推奨品マーク
「JOCA推奨品マーク」は、日本オーガニックコスメ協会が認定しているマークです。
「完成品が、天然成分100%で製造されていること」などをはじめ、基本原料について、また製造方法について厳しい基準が設けられています。
その他、
・石油と石油由来合成成分を使っていないこと
・植物、粘土、鉱石類のように、自然界の中で生まれ、循環することができ、自然のバランスを壊す懸念のない原料であること
・石鹸のように、長年にわたって使われてきて、環境や肌に対して、無害であることがわかっている原料であること
などの基準があります。
参照:日本オーガニックコスメ協会のJOCA推奨品基準詳細
4. オーガニック繊維には2つの世界基準
オーガニック繊維には、世界共通のオーガニック繊維基準があります。国産にこだわったJOCAマーク(日本オーガニックコットン協会)などもありますが、今回は世界基準である2つのマークについてご紹介します。
①GOTS(オーガニックテキスタイル世界基準)
GOTSはオーガニック繊維で作られた製品のためのテキスタイル製造・加工の国際基準です。
「繊維製品が正しくオーガニックである」 という状況を確保する世界的なルールを定めるために開発されています。
最低限70%以上のオーガニック繊維から作られており、その原料や、製造過程、梱包、ラベリング、配給に至るまで、厳格な基準が設けられています。また、30%未満のオーガニック以外の繊維についても規定があります。
参照:GOTS日本語ダウンロードページ
②OCSオーガニック認証
OCSオーガニック認証は、5%以上のオーガニック原料を含む製品の製造・管理に対する認証です。
・ORGANIC 100:95%以上のオーガニック原料を使用
・ORGANIC BLENDED:5%以上のオーガニック原料を使用
の2種類のマークがあります。
この認証を受けるには、特定の規則に従った有機農法の原料を使用し、すべての過程が明確である必要があります。
参照:Organic Content Standard (OCS)英語ページ
5. オーガニックを選択するときには認証マークにも注目!
今回ご紹介した認証マークは、世の中に存在するもののほんの一部ではありますが、参考にしていただけたらと思います。
もちろん、認証マークを取得していなくともこだわりの製品づくりをされているブランドはたくさんあり、認証が全てというわけではありません。
しかし、特にオーガニックコスメにおいて、ひとつの指標になるはずです。オーガニックな商品を手に取るときには、ぜひ認証マークにも注目してみてください。