春分の日の意味とは?日本文化は意外とサスティナブルに繋がっていた

3月の祝日といえば「春分の日」ですが、その意味をご存じでしょうか。

春のお彼岸の中日であり、昼夜の長さが同じ日でもありますが、由来はもっと奥深いのです。

普段、あまり意識せずに過ごしている「春分の日」について、意味や起源を詳しくご紹介します。

そもそも春分の日っていつ?

春分の日は毎年の3月下旬頃というように、明確に日付が決まっていません。
それは、春分の日を「昼と夜の長さが同じなる日」と定義しており、その日は毎年異なるからです。

なぜ異なるのかというと、天文学の「春分点」に当たる日が春分の日だからです。春分点とは、黄道と天の赤道の交点のこと。

黄道とは、地球から見て、太陽が地球の周りを1年かけて一周して描く天球上の大円のことです。(三省堂大辞林第三版より)

天の赤道とは、地球の重心を通って地球の自転軸に垂直な平面が、天球と交わる大円のことです。(三省堂大辞林第三版より)

この黄道と天の赤道が交わる点は2点あり、そのうち太陽が南から北へ通過する点を春分点といいます(もう1点は秋分の日です)。

この日は昼と夜の長さが同じになります。

毎年2月1日に翌年の歴をまとめた「暦要項(れきようこう)」が官法に掲載されて正式に春分の日が決まるのです。

2020年は3月20日(金)が春分の日となります。

春分の日の意味は?

春分の日は明治12年(1979年)から昭和23年(1948年)までは「春季恒例祭」という名前で歴代の天皇・皇后・皇親を祭る儀式を行う中宮祭祀の日で、これに伴い祭日となっていました。

その後、昭和23年(1948年)に「国民の祝日に関する法律」によって「自然をたたえ、生物をいつくしむ日」であることを趣旨として制定されました。

また、春分の日は祝日でもありますが、暦(こよみ)としての意味合いもあるのです。

この暦とは二十四節気と七十二候が関係します。

二十四節気とは季節を表すことばで、1年を春夏秋冬の4つに分けたものをさらに6つに分けた24の区間に名前を付けたものです。

立春、立夏、夏至、秋分、冬至など、聞き慣れたものも二十四節気の中の暦のひとつで、春分もこの二十四節気のうちのひとつです。

季節をさらに詳しく知るために用いられるのが七十二候というもので、二十四節気のひとつの暦をさらに3つに分けたものです。

では、七十二候での春分はどんな季節かというと、次の3つになります。

1. 雀始巣(すずめはじめてすくう)

雀が巣をつくり始める頃。昼の時間が少しずつ長くなり始めます。

2. 桜始開(さくらはじめてひらく)

桜の花が咲き始める頃。本格的な春がやってきます。

3. 雷乃発声(かみなりすなわちこえをはっす)

遠くの空で雷が鳴り始める頃。この時期の雷のことを春雷と呼びます。

春分は、厳しい冬を耐えてきた生き物が前向きにやる気に満ち溢れると共に、草木が芽吹き春の訪れを感じる時期です。

七十二候を知ると、春分の日が「自然をたたえ、生物をいつくしむ日」と定められるのも理解できるのではないでしょうか。

自然をたたえ生物をいつくしむことがサスティナブルに

このように普段何気なく過ごしている祝日の由来や起源を紐解くと、日本人が古来より大事にしてきた価値観を理解するきっかけとなります。

日本人は古来より自然と共生し、豊かな自然に感謝をしてきました。今話題になっているSDGsには、「自然環境や生物を大事にし、持続可能な社会を目指す」という価値観があります。

日本の文化はわたしたちにとっては当たり前のことですが、持続可能な社会を目指すことにおいて新たな意味を持っていくことになっていくかもしれません。

今ある自然がこれからも豊かであり続けるように、春分の日を通して自然や生物にとってもやさしい生活について考えてみてはいかがでしょうか。

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