「しいたけ」
この名前を聞いて何を思い浮かべるでしょうか。
食べ物ではありません。
「しいたけ」を冠した、今人気の占い師がいるのです。
顔出しでメディアに出ることはないので、ベールに包まれている部分が多いです。しかし彼の書く文章は、単純で画一的な運の良し悪しだけでなく、たとえ運勢的に良くなかったとしても、読者の背中を後押しする温かい文章が特徴です。
しいたけさんはVOGUEGIRLで連載を持ち、書籍まで出版していますが、今回はその素顔に迫ります。
しいたけさんって?
占い師。早稲田大学大学院政治学研究科修了。哲学を研究するかたわら、占いを学問として研究していたそうです。2014年から『VOGUEGIRL』で連載をスタートさせ、毎週月曜日更新の「WEEKLY!しいたけ占い」で注目を集めています。今は星座占い以外のコラムも執筆されています。
「しいたけ」という名前の由来は、ご本人が唯一苦手な食べ物であり、それを克服したかったからだそうです。何とも面白い理由ですね。
占いの道に入ったきっかけは、大学で哲学の勉強をするかたわら、息抜きとして占いの資料を読んでいたことからだそうです。その後大学院を卒業されたあと、 個人の相談鑑定をし始めました。今では著名人にもファンが多く、AKBの小嶋陽菜さんも「へんな名前なのにいつも確信をついてきてズルい!!」と本の帯にコメントを寄せています。
しいたけ占いの特徴
大きく「占い」というくくりの中にも、それに携わる人によって個性は出るものです。ただその個性は、いきなりあった先天的なものというより、むしろその人の過去の経験や実体験から培われて、感性が滲み出てきていることの方が多いように感じます。
どんな経験やどんな思いがあって今に至るのか?ご本人のキーワードからご紹介します。
・手紙のような存在~遠回り性~
しいたけ占いの特徴は、文章が誰か大切な人に宛てた手紙のような言い回しであることです。直接的に否定や断定をするわけではなく、旧友に「お元気ですか?最近は温かくなってきましたね?調子はどう?」そんな雰囲気からスタートします。
毎週執筆するタフな仕事を支えているのは、学生の時に書きたいと思っていた手紙のようなメッセージを多くの人に届けられるという感性だそう。それは元来話すのが得意ではなかったという部分もあるのかもしれません。簡単なコミュニケーションの手段としてメールやSNSが普及する中で、手間もかかりますし、少し遠回りにも思える手紙のようなメッセージ。一緒にみる風景やこれからの情景を思い浮かべて読み進められるような感覚が強いです。
これがどこか人肌のような温かい印象を読者に与える理由かもしれません。なにより伝わるのは、想いであることは間違いないのでしょう。
・コピーすることの決意
幼少期は畳と会話するほど、まったく人と話せなかったそうな筆者。普通に雑談することが難しいと感じ、話をしている同級生の会話をコピーするような学生時代を過ごしています。
大学時代に意中の異性との帰り道に、とっさの質問にどう答えていいのか?過去の引き出しを探るも答えが出せず失恋した経験も財産だとのこと。
型や正解が自分になかったからこそ、柔軟にまず人から盗むという所からスタートされたのかもしれません。話も十分にできなかった経験というのも、そこから繋がる今があれば魅力的ですね。
・正直分からない時もある
これが、一番正直だなと感じた部分でした。占いの結果にも正確な絶対はないそうで、どちらとも取れる、もしくはどちらとも取れない場合もあるそう。
そんなときには、自分なりに正解を提示するのではなく、分からないということをオープンにして、ある種一緒に読者と考えてもイイじゃないかというスタンスを取られています。
占いって正解がないとダメなのではと感じている読者にはそこが意外に映ったのではないでしょうか。見栄を張るのではなく等身大の姿勢が共感を生んでいるのかもしれません。
参考:ほぼ日刊いとい新聞『はじめまして・しいたけです』
まとめ
占いとひとくくりにとっても、その人の大切にしているスタイルや哲学があります。
人気な人の背景を知ると、今を形作る意外なきっかけや下積みもたくさんあるものです。通り一辺倒の単純な占いの結果だけではなく、どんな人がどんな思いを大事に占っているのかという側面から見ても、新しい占いの楽しみ方が見つけられるかもしれません。
毎日をハッピーに過ごしたいすべての人へ、いいきっかけになれば幸いです。
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