【キングコング・西野】常識に風穴を開ける西野亮廣の哲学

キングコング・西野亮廣(にしのあきひろ)といえば、今ではお笑い芸人というよりも”新時代の仕掛け人”というイメージの方が強いのではないでしょうか。

2016年10月に「えんとつ町のプペル」という絵本の発売と同時に、ネット上で全ページを無料公開するという出版業界では異例の仕掛けをしたことで、世間を驚かせたことは記憶に新しいですよね。

当時はいろいろな意見が飛び交うも、結果的に無料公開によって世間に周知され、売り上げを伸ばしていきました。

そして、2018年11月発売のビジネス書「新世界」も同様に、発売から間もなくして全ページ無料公開に踏み切ったのです。またたく間に話題を呼び、現在大ヒット中です。

一見、非常識とも思える彼の仕掛けは、世間の評価とは反して思惑通りになってきています。そんなこれまでの常識に風穴を開ける、キングコング・西野亮廣の哲学に迫ってみたいと思います。

話題に事欠かないキングコング西野の挑戦

「えんとつ町のプペル」は、制作時点からクラウドファンディングで資金調達をするなどの異例の挑戦が話題となりました。そこには過去の失敗経験を活かした綿密な計画があり、”作品がお客さんの手に届かなければ、生まれたことにはならない”という考えをベースに、制作時点から様々な仕掛けを施していきます。

新たな挑戦に懐疑的な世間からは、批判を浴びることもしばしば。それでも、多くの人に届けようという信念を貫き、念願の絵本発売と無料公開にまで至ったのです。絵本の最後には、彼の挑戦にかける想いを表すような一文があります。

▼引用:主人公ルビッチに父がかけた言葉

信じぬくんだ。たとえ一人になっても。”

この絵本は、現代社会の風刺のような作品です。常識の枠を出ない世間への皮肉とも捉えられますが、おそらく多くの人が胸の奥底で同じ思いをかかえているからこそ、このメッセージや挑戦がきっかけとなり、共感した支援者が彼の作品を飛躍させたのではないでしょうか。

常識に風穴を開けた、斬新かつ合理的な哲学

時を新たに、2018年にも「新世界」の無料公開に踏み切り、彼の哲学に一縷の揺らぎもないことが伝わってきます。

ビジネス書の全ページ公開は、前代未聞という言葉がふさわしい、常識を覆す一手でした。絵本が同じ手法でヒットしたからといって、コンテンツの性質が違うビジネス書まで、同じ手法で売れるとは限りません。

しかし、彼の考察力と洞察力によって、「紙の本」の価値と「Webコンテンツの価値」を見事に見極め、ビジネス書でもいける!と判断し無料公開に踏み切りました。そこに成功の確証はありませんが、実践家の彼にとって、勝算がある挑戦を避ける理由はなかったのでしょう。

対して、世間の評価も様々ではありますが、ここで最も驚くべきは、この本の出版元の株式会社KADOKAWAが全面協力しているというところです。

KADOKAWAの公式ページに以下のようなコメントがあります。

株式会社KADOKAWA(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:松原眞樹)は、2018年11月16日(金)に、西野亮廣の最新ビジネス書『新世界』を発売し、発売1か月で3刷13万5000部と大ヒットを記録しています。

そんな中、著者である西野氏が12月19日に『新世界』の「全文無料公開」を行ないました。

ビジネス書の全文無料公開は、出版業界にとって異例中の異例のことではありますが、これまで多くのプロジェクトを成功に導いてきた著者の実践力を尊重し、KADOKAWAとして全面的に応援させていただくことにいたしました。

▼引用
キンコン西野亮廣が出版不況に挑む新たな試み。最新ビジネス書『新世界』を発売1か月で全文無料公開!


常識がどうとか、内容がどうとかではなく、彼がこれまでに証明してきた”実践力”が買われ、新たな挑戦への支持者が次第に増えてきています。

そして新書「新世界」では、常識の枠から出ることができない読者へのエールで締めくくられています。

“大丈夫、行けるよ。“

自分の哲学を貫き、”新世界”を切り拓いている彼が、世の中に最も伝えたいメッセージのようです。

どんな逆境でも、自分の哲学を貫く信念と実践力が成功の秘訣だということが彼の挑戦から伝わってきます。この本を目にしたあなたも、小さな一歩でもまず一歩、あゆみを進めたその先に”新世界”が待っているかもしれません。

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