カフェインレスコーヒーとは?デカフェとの違いや効果を解説

コーヒーが飲みたいけれど、カフェインが気になるという人もいるでしょう。欧米をはじめ、世界ではカフェインを敬遠したい人を中心にカフェインレスコーヒーが広く愛飲されています。しかし、日本でカフェインレスコーヒーの認知度が高まってきたのは比較的最近のこと。

「カフェインレスコーヒー」という言葉は聞いたことがあっても、それがどういうものなのか、正しく理解している人はまだ少ないかもしれません。また、カフェインレスと似た言葉に、「ノンカフェイン」や「デカフェ」がありますが、それぞれどのような違いがあるのでしょうか。

ここでは、カフェインレスコーヒーの基礎知識に加え、カフェインレスコーヒーのメリットや、どのように作られているかなどについて解説します。

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カフェインレスコーヒーの基礎知識

テーブルに置いているコーヒーとスプーン

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カフェインレスとは、「カフェインの含有量が少ない」という意味です。カフェインレスと聞くと「カフェインがまったく含まれていない」と考える人もいるかもしれませんが、そうではありません。

まずは、カフェインレスコーヒーがどのようなものなのか、正しく知っておきましょう。

そもそもカフェインは苦味のある天然成分

カフェインは、さまざまな植物の葉、幹、種などに含まれる苦味を持った天然成分です。コーヒーの原料であるコーヒー豆をはじめ、カカオや茶葉にもカフェインは含まれています。

カフェインの効果として最も知られているのは、「眠気覚まし」ではないでしょうか。これは、カフェインの持つ覚醒作用によるものです。このほかにもカフェインには、血管拡張作用、利尿作用、脂肪燃焼作用、胃酸分泌作用といったさまざまな働きがあります。

ただし、カフェインの過剰摂取は、健康に悪影響を及ぼすおそれがあるため、注意しなければなりません。日本では1日あたりの摂取許容量に定めはないものの、厚生労働省では「カフェインを過剰に摂取した場合は、中枢神経系の刺激によるめまい、心拍数の増加、興奮、不安、震え、不眠症、下痢、吐き気等の健康被害をもたらすことがある」と注意喚起しています。

カフェインレス、ノンカフェイン、デカフェの違いは?

カフェインレスと混同されやすい言葉に、「ノンカフェイン」や「デカフェ」があります。それぞれどのような違いがあるのか見てみましょう。

・カフェインレス

カフェインレスとは、元々含まれているカフェインを、できる限り取り除いたものです。日本で「カフェインレス」と表示されているコーヒーは、カフェインが90%以上取り除かれています。ただし、完全にゼロではなく、微量のカフェインは含まれる点に注意してください。

・ノンカフェイン

ノンカフェインとは、原材料にカフェインがまったく含まれていないものを指します。コーヒーの原料であるコーヒー豆にはカフェインが含まれるため、「ノンカフェインコーヒー」は存在しません。ノンカフェイン飲料には、麦茶やハーブティーなど、カフェインを含まない原料で作られた物が該当します。

・デカフェ

デカフェとはDecaffeinated(除去された)の略で、カフェインレスと同じく、カフェインを取り除いたという意味です。コーヒー以外でもカフェインを除去していればデカフェといえますが、デカフェといえばコーヒーを指すことが多いです。

カフェインレスコーヒーの定義

日本では、公正競争規約により、コーヒーに「カフェインレス」と表示できるのは、カフェインを90%以上除去した物と定められています。つまり、国内でカフェインレスコーヒーとして販売されている物は、カフェイン含有量が10%以下ということです。

ただし、これはコーヒーやコーヒー飲料に限った決まり。緑茶や紅茶など、ほかの飲料に関しては、現在のところカフェインレスについての明確な取り決めはありません。

カフェインレスコーヒーの効果

コーヒーに含まれるカフェインにはさまざまなメリットがありますが、デメリットもあります。カフェインのデメリットの反対にあたることが、カフェインレスコーヒーのメリットといえるでしょう。

ここでは、カフェインレスコーヒーのさまざまな効果についてご紹介します。

夜でも飲める

夜にコーヒーを飲んで、眠れなくなってしまった経験のある人もいるのではないでしょうか。カフェインレスコーヒーなら、カフェインの覚醒作用を最小限に抑えられるので、夜に飲んでも睡眠にあまり影響しません。目が冴えて睡眠を妨げることなく、夜のコーヒータイムを楽しむことができます。

利尿作用が少ない

一般的なコーヒーに含まれるカフェインには、利尿作用があります。そのため、運転中や会議中、映画館の中など、長時間トイレに行けないときは、コーヒーを飲まないようにしている人も多いようです。カフェインレスコーヒーなら利尿作用が少ないため、どんなシーンでも気にせず飲むことができるでしょう。

妊娠中・授乳中でも飲める

妊娠中や授乳中は、カフェインの摂取量を控える必要があります。しかし、日常的にコーヒーを飲んでいた人にとっては、それまで好きだった物をやめるのはつらいもの。カフェインレスコーヒーを選べばカフェインの摂取量を大幅に削減できるので、妊娠中や授乳中でもコーヒーを飲めるようになります。

妊娠中・授乳中はコーヒーを飲んでもいい?

スーツを着て立っている女性

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「妊娠中や授乳中はコーヒーを飲まないほうが良い」といわれるのは、コーヒーに含まれるカフェインが原因です。妊娠中や授乳中にカフェインをとると、どのような影響があるのでしょうか。

妊娠中・授乳中のカフェインは悪影響がある

カフェインが妊婦に与える影響は、まだわかっていないことも多いです。ただし、妊娠中は代謝が落ちて、カフェインが体内に長くとどまることになります。カフェインには血管収縮作用があるため、おなかが張って流産や死産になるリスクを高めます。また、血管が収縮することで、赤ちゃんに運ばれる栄養や酸素が減る危険性もあるでしょう。

また、お母さんが摂取したカフェインは血液から母乳に移行するため、授乳中に大量のカフェインを摂取すると、赤ちゃんにも影響します。赤ちゃんはカフェインの耐性が少なく、興奮しやすくなって寝つきが悪くなったり、よく泣いたりする可能性があります。

妊娠中・授乳中のコーヒーの上限量

赤ちゃんへの悪影響は、あくまでもカフェインを大量に摂取した場合です。妊娠中や授乳中は絶対にコーヒーを飲んではいけないわけではなく、1日数杯程度であれば問題ないとされています。例えば、英国食品基準庁(FSA)やカナダ保健省(HC)は、妊娠中や授乳中にコーヒーを飲む場合、マグカップで2杯程度までにするよう求めています。

ただし、大量にカフェインを摂取しなければ問題ないとはいえ、「もしかしたら赤ちゃんに影響があるかも」と思うと、母体にとってストレスになるかもしれません。心配な場合は、カフェインレスコーヒーを選ぶといいでしょう。

カフェインレスコーヒーの作り方は?

カフェインレスコーヒーを作るためには、生豆の状態のコーヒーからカフェインを除去しなければなりません。除去の方法には、「有機溶媒抽出」「ウォータープロセス」「液体二酸化炭素抽出」「超臨界二酸化炭素抽出」の、大きく分けて4種類があります。

このうち、有機溶媒抽出は、1906年に誕生した世界初のカフェイン除去方法。安価なため海外のデカフェ製品の80%を占めるとされていますが、有機溶媒が直接コーヒー豆にふれるため、安全面から日本では使用も輸入も禁止されています。

ここでは、日本でも使用できるカフェイン除去方法を説明しましょう。

ウォータープロセス

ウォータープロセスには、「スイスウォーター製法」「マウンテンウォーター製法」などの種類があり、水を使ってカフェインを除去する方法です。コーヒーの生豆を水に浸し、水に溶け出した成分からカフェインだけを除去し、残った成分を豆に戻すというもの。水を使っているため安心・安全とされますが、風味や味は落ちるといわれます。

液体二酸化炭素抽出

液体二酸化炭素抽出は、水蒸気でコーヒーの生豆を膨張させ、液体二酸化炭素につけて一定の温度・圧力にし、カフェインだけを抽出する方法です。低温・低圧力でじっくり時間をかけてカフェインを抽出するため、通常のコーヒーと変わらないほど味や香りが損なわれず、カフェインの残留率も0.1%以下に抑えられます。

しかし、その分カフェインの除去に時間がかかるため、価格は高くなりがちというデメリットがあります。

超臨界二酸化炭素抽出

超臨界二酸化炭素抽出は、二酸化炭素法とも呼ばれ、最も新しいカフェイン抽出法です。二酸化炭素に圧力と熱を加え、気体と液体の両方の性質を持つ特殊な状態にして、そこに生豆を通してカフェインを取り除きます。液体二酸化炭素抽出と比べて短時間でカフェインの除去が可能で、コーヒーの味や風味を豆に残すことができます。高圧装置を利用するため、コストは高くなりがちで、まだ流通数は多くありません。

カフェインレスコーヒーはまずい?

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時々、カフェインレスコーヒーを飲んだ人から、「おいしくない」という声が聞かれることがあります。カフェインレスコーヒーが「まずい」と感じた場合、下記のような理由が考えられます。

代用コーヒーを指すことがある

カフェインレスコーヒーだと思って飲んだ物が、実はコーヒーではなく、代用コーヒーであったということもあるでしょう。

代用コーヒーとは、たんぽぽコーヒーや大豆コーヒー、チコリコーヒーなどのことです。これらは「コーヒー」という名前がついていても、コーヒー豆は使用していない、コーヒー風味の飲み物を指します。そのため、独特の香りやコクが感じられず、違和感を覚えることがあります。

カフェイン除去の際にコーヒー成分が抜ける

カフェインレスコーヒーを作るときには、コーヒー豆から人工的にカフェインを取り除きます。その過程でコーヒーの成分が抜けてしまい、味わいや香りが弱くなることがあるのです。

ただし、前述したとおり、近年ではカフェインレスコーヒーの製法も進化し、風味の低下を最小限に抑えることも可能になりました。必ずしも、カフェインレスコーヒーだからまずいということはなくなっています。

コーヒー豆の質が高くない

カフェインレスコーヒーは、一般的なコーヒーよりも処理工程が多く、製造にコストがかかります。そのため、販売価格を抑えるのに豆の品質を落とす場合があり、その分味わいが低下することがあります。おいしいカフェインレスコーヒーを飲みたいと考えるなら、価格が若干高くなるのは仕方ないといえるでしょう。

おすすめのカフェインレスコーヒー

ここからは、LIFESTYLE Moreがおすすめするカフェインレスコーヒーをご紹介します。いずれも、化学合成農薬や化学肥料を使用せずに有機栽培されたコーヒー豆を使用した、フェアトレード製品です。

a cup of SlowCoffee おいしいやさしい カフェインレス

コーヒーカップの上にのせて、お湯を注ぐだけで簡単に飲めるドリップバッグのカフェインレスコーヒーです。有機栽培豆を使い、液体二酸化炭素抽出法でコーヒー本来のおいしさを損なわず、カフェインだけを残留率0.1%以下まで除去しました。

slow coffee「【ドリップバッグ】 a cup of SlowCoffee カフェインレス 小売用」

BLACK is Beautiful“DECAF”水出しコーヒーパック

ホンジュラス産のコーヒー豆を使用した、深煎りで香ばしく、カフェインレスとは思えないしっかりとした風味の水出し用コーヒーパックです。ピッチャーなどの容器に水と水出しコーヒーパックを入れるだけで、深いコクと豊かな香りが感じられる、カフェインレスのアイスコーヒーが出来上がります。

slow coffee「おいしい やさしい カフェインレス 水出しコーヒー 30g×2p」

おいしい やさしい カフェインレス 深煎り

言われなければカフェインレスと気づかないほどの、香ばしいコーヒーの香りが楽しめるカフェインレスコーヒーです。深煎りでしっかりとした味わいはもちろんそのままに、濃厚なスイーツとの相性も抜群。中細挽きなのでペーパーフィルターでどうぞ。

slow coffee「おいしい やさしい カフェインレス(DECAF)」

デカフェ・コーヒー羊羹

ネルドリップで入れたカフェインレスコーヒーで作ったコーヒー羊羹です。てんさい糖を使ったやさしい甘みで、後から香るコーヒーの風味が特徴。お茶にもコーヒーにも合う味わいで、カフェインが少ないため子供も安心して楽しめます。

slow coffee「デカフェ コーヒー羊羹」

おいしくて健康的なカフェインレスコーヒーを楽しもう

妊娠中や授乳中の人をはじめ、「健康のためにカフェイン摂取量を抑えたい」という人などを中心に、最近では日本でも徐々にカフェインレスコーヒーが飲まれるようになってきました。

以前は「おいしくない」というイメージのあったカフェインレスコーヒーですが、製法の発展などにより、豊かな風味とコクを備えた商品も登場しています。日常生活にカフェインレスコーヒーを取り入れて、今まで以上にコーヒーライフを楽しんでみてはいかがでしょうか。

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