食品や化粧品などではよく見られるようになってきたオーガニック製品ですが、オーガニック歯磨き粉があるのをご存じでしょうか。歯磨き粉は、食べ物と同様に口に入れる物だからこそ、成分にもこだわって選びたいものです。
ここでは、オーガニック歯磨き粉の特徴やメリットのほか、選び方のポイントなどについて解説します。
オーガニック歯磨き粉の概要
オーガニックと聞くと、なんとなく体に良さそうなイメージを持つ方は少なくないでしょう。では、オーガニック歯磨き粉とは、具体的にどのような物なのでしょうか。
化学成分を使用せず天然由来の原料で作られた歯磨き粉
オーガニックには、「有機の」という意味があり、主にオーガニック歯磨き粉とは、有機栽培された植物を用いて作られた歯磨き粉のことを指します。
一般に市販されている歯磨き粉には、発泡剤や防腐剤、着色料といった化学成分が配合されています。オーガニック歯磨き粉は、基本的にはこれらの化学成分を使用せず、オーガニックで育てられた天然由来の原料で作られている物です。
一部の原材料がオーガニックである物も多い
日本では、オーガニックコスメに対する明確な基準がありません。食品の場合は農林水産省の有機JASマーク認証がありますが、コスメや衛生用品に関しては、オーガニック認証をする機関が国内にはまだ存在しないのです。そのため、オーガニック歯磨き粉の定義も曖昧で、一部の原材料がオーガニック成分であれば、ほかに化学成分を使っていたとしても「オーガニック」とうたっている商品も少なくありません。オーガニック歯磨き粉を選ぶときには、製品の成分をきちんと確認することが大切です。
日本製のオーガニック歯磨き粉も増えている
日本のオーガニックの歴史は、海外に比べればまだ浅いものの、最近では国内で作られたオーガニック製品が増えてきています。オーガニック歯磨き粉も同様です。オーガニック歯磨き粉の種類も増え、以前に比べて身近に手に入るようになっています。
オーガニック歯磨き粉のメリット
オーガニック歯磨き粉には安全性が高く、歯を優しくケアできるといった、さまざまなメリットがあります。具体的なメリットについて詳しく見ていきましょう。
安心で安全性が高い成分で作られている
化学的に合成された物質を使わず、天然由来の成分で作られているのがオーガニック歯磨き粉の特徴です。一般的な歯磨き粉に配合されている発泡剤や防腐剤、着色料、研磨剤、酸化防止剤などは、基本的には使用しません。化学肥料や農薬を用いずに有機栽培された植物を原料としているため、安全性が高く、安心して使用できます。
研磨剤が入っていないため歯を傷つけにくい
歯磨き粉に含まれる研磨剤は、歯の着色汚れに効果が期待できる反面、文字どおり研磨することによって歯を傷つけるおそれがあります。毎日磨き続けることで、歯と歯茎の境目が削れてしまい、知覚過敏につながってしまう可能性も…。
研磨剤が入っていないオーガニック歯磨き粉は、一般に市販されている研磨剤の入った歯磨き粉と比べて歯を傷つけにくく、優しくケアをすることができます。
歯磨き後でも味覚が変わらない
歯磨きをした後に飲食をすると、「味が違う」と感じたことのある方も多いのではないでしょうか。一般的な歯磨き粉に含まれている合成界面活性剤は、歯をきれいに磨くことができますが、刺激が強く、味覚を感じる器官である味蕾(みらい)を傷つけてしまう可能性があるともいわれています。
合成界面活性剤を使用していないオーガニック歯磨き粉は、このようなリスクを避けることも可能です。
刺激が少ないので歯茎マッサージにもおすすめ
オーガニック歯磨き粉は、口腔への刺激が少ないため、しっかり丁寧にブラッシングすることができます。歯茎のマッサージをしたいという方にもおすすめといえるでしょう。
オーガニック歯磨き粉を使う際の注意点
オーガニック歯磨き粉にはメリットがある一方で、いくつかの注意点もあります。オーガニック歯磨き粉を使う前に、あらかじめ注意点についても知っておきましょう。
使用感が少し物足りないこともある
オーガニック歯磨き粉には、一般的な歯磨き粉に配合されている発泡剤が含まれていないため、泡立ちが少なく、使用していて物足りなさを感じるかもしれません。
とはいえ、泡立ちがいいとそれだけで磨いた気になってしまい、磨き残しが生じる可能性もあります。オーガニック歯磨き粉は、泡立ちがないため歯が泡で隠れることがなく、しっかり丁寧に磨きやすいともいえます。
価格は一般の歯磨き粉と比べて高めの傾向がある
オーガニック歯磨き粉は成分にこだわって作られている分、価格が高い傾向があります。ドラッグストアやスーパーなどで一般に売られている歯磨き粉に比べると、どうしてもコストはかかってしまうでしょう。
開封後は早めに使いきる必要がある
オーガニック歯磨き粉の多くは、防腐剤や保存料を含んでいません。製品に記載されている使用期限を確認し、開封後はなるべく早めに使いきることが大切です。
オーガニック歯磨き粉の選び方
オーガニック歯磨き粉を選ぶときは、何を基準にすればいいのか迷う方もいるかもしれません。その場合は、次のような点に注目して選ぶといいでしょう。
オーガニック認証の製品を選ぶ
オーガニック歯磨き粉の中には、海外のオーガニック認証機関の認証を受けている商品もあります。オーガニック認証機関として有名なのは、フランスの「ECOCERT(エコサート)」や「COSMEBIO(コスメビオ)」、イタリアの「ICEA(イチェア)」、イギリスの「Soil Association(ソイル・アソシエーション)」などです。
また、これらの機関による統一基準として「COSMOS(コスモス)」が設けられています。オーガニック認証を受けた商品にはそれぞれの認証機関のマークがついていますので、選ぶときの目安にしてください。
成分をチェックする
オーガニックと表示があっても、すべての製品が無添加で化学物質が使われていないというわけではありません。中には、オーガニック成分を一部使用しているだけといった製品もあるため、注意が必要です。
オーガニック歯磨き粉を選ぶ際には、パッケージに書かれた表示成分をしっかりとチェックし、フッ素や研磨剤、界面活性剤などが入っていない物を選びましょう。「炭酸カルシウム」「炭酸水素ナトリウム」「無水ケイ酸」は研磨剤、「ラウリル硫酸ナトリウム」は界面活性剤のことです。
おすすめのオーガニック歯磨き粉3選
ここからは、おすすめのオーガニック歯磨き粉を3つご紹介します。
香り、味が自然の恵みにあふれる「ラブバイト ナチュラル ハミガキ粉 ペパーミント」
「ラブバイト ナチュラル ハミガキ粉 ペパーミント」は、口内をさっぱり爽快にして、口腔内の環境を整える滑らかでクリーミーな泡立ちの歯磨き粉です。成分は100%自然成分のみで配合されており、オーストラリアの上質なエッセンシャルオイル、植物エキスをブレンド。香り、味ともに自然の恵みにあふれています。フッ素化合物や合成の化学物質を使用しておらず、フッ素フリー、パラベンフリー、ラウリル硫酸ナトリウムフリー、トリクロサンフリー、ジエタノールアミン(DEA)フリー、アスパルテーム(人工甘味料)フリー、二酸化チタンフリーです。また、動物実験を行っていない(クルエルティフリー)ため、ヴィーガンの方も使用可能です。
LOVEBYT「ラブバイト ナチュラル ハミガキ粉 ペパーミント」
ハーブの香りで口臭も防ぐ「ラブバイト ナチュラル ハミガキ粉 シナモンクローブ」
「ラブバイト ナチュラル ハミガキ粉 シナモンクローブ」は、滑らかでクリーミーな泡立ちの中に、シナモンとクローブのスパイシーさが感じられる歯磨き粉です。口内をさっぱり爽快にし、シナモン、クローブなどのハーブ配合で口臭の原因になるにおいを防ぎます。100%自然成分で、フッ素化合物や合成の化学物質を使用していません。フッ素フリー、パラベンフリー、ラウリル硫酸ナトリウムフリー、トリクロサンフリー、ジエタノールアミン(DEA)フリー、アスパルテーム(人工甘味料)フリー、二酸化チタンフリーです。こちらも動物実験を行っていないため、ヴィーガンの方も使用可能です。
LOVEBYT「ラブバイト ナチュラル ハミガキ粉 シナモンクローブ」
歯と歯茎を洗い上げる「DRH メッド トゥースP SS N」
「DRH メッド トゥースP SS N」は、海水や珪藻土、ピートモスエキスなどの天然由来成分で、歯と歯茎をすこやかに洗い上げる歯磨きペーストです。アルコールや合成の薬品を使わず、水のみで安定した植物エキスを抽出し、常温保存も可能。ドイツで認証されたナチュラル化粧品ブランドでもあるDr.ハウシュカならではのリズム製法と、バイオダイナミック農法で作られています。合成・人工原料(香料・着色料・保存料・界面活性剤等)フリーで、フッ素フリー処方。ベルギーのオーガニック・ナチュラル化粧品の認証である「NATRUE(ネイトゥルー)」を取得しています。
歯と体の健康を考えるならオーガニック歯磨き粉がおすすめ
お口の健康は、全身の健康にもつながります。直接口の中に入れる歯磨き粉は飲み込んでしまう可能性もあり、できるだけ安全性の高い成分の物を選びたいものです。
有機栽培された天然由来成分で作られたオーガニック歯磨き粉なら、化学物質に頼らず歯をすっきりときれいに磨くことも可能です。自分に合ったオーガニック歯磨き粉を選び、健康で美しい歯を守りましょう。
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