SDGsの基本のキ! なぜこの言葉に世界が注目しているのか

SDGs(エスディージーズ)なぜ世界が注目しているのか_画像

最近、新聞やテレビの中でよく聞くようになった「SDGs(エスディージーズ)」という言葉。仕事や様々なメディア通じて「SDGs」を耳にした、という人も多いのではないでしょうか。日本でのSDGs認知度は19%とまだまだ低いのが現状です。

何かカラフルなデザインで、「社会貢献に役立つようなもの」くらいのぼやっとしたイメージしか持っていませんでした。

ここではあらためてSDGsとはなにか 、SDGsで掲げている目標、そして実際の取り組みをご紹介します。

そもそも持続可能な開発目標「SDGs」とは?

SDGsの基本のキ! なぜこの言葉に世界が注目しているのか_画像

「SDGs(エスディージーズ)」とは、「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略称であり、2015年9月に国連で開かれたサミットの中で世界のリーダーによって決められた、国際社会共通の目標です。

17のグローバル目標と、169の達成基準(ターゲット)から成り立っています。

SDGsは、2000年に国連のサミットで採択された「MDGs(エムディージーズ/ミレニアム開発目標)」が2015年に達成期限を迎えたことを受けて、MDGsに代わる新たな世界の目標として定められました。

しかし、MDGsについては、途上国からこんな意見も出ていました。

幼児死亡率の削減など、発展途上国が抱える問題を挙げ、解決策を探った。だが、その内容は先進国が決めており、途上国からは反発もあった。進展には地域の偏りなどの「見落とし」があったとも指摘された。

出典:朝日新聞デジタル「SDGsって何?」より

それを受け、2015年に新たに策定されたSDGsは、誰ひとり取り残さないことを目指し、先進国と途上国が一丸となって達成すべき目標で構成されているのが特徴です。

SDGsの17の目標!私たち先進国の努力も大きく関わっている

では、肝心のSDGsの中身、「持続可能な開発目標」とは具体的にどのようなものなのでしょうか。アイコンごとに見ていきましょう。

SDGsの基本のキ! なぜこの言葉に世界が注目しているのか_画像

1〜6までの目標を見ていると、貧困や飢餓、健康や教育、さらには安全な水など開発途上国に対する開発支援に見えます

7~12まではエネルギーの話、働きがいや経済成長の話も出てくれば、まちづくりの話まで出てきて、「おやおや。開発途上国の話ではないぞ。我々先進国にも関係ある話だな」思いました。

13~17まで来ると、気候変動の話、海の話や陸の話まで出てくるので、開発途上国や先進国だけの話ではなく、もっと包括的な話になってきます。

SDGsが世界でこれだけの広がりを見せているのは、やはり開発途上国だけではなく、先進国での働きがいや経済成長まで踏まえたものだからなのですね。

日本が先頭に立って世界のSDGsの取り組みを推進!

SDGsの基本のキ! なぜこの言葉に世界が注目しているのか_画像

日本では、政府が『SDGsアクションプラン2019』として次のような行動指針を定めています。

豊かな活力のある「誰一人取り残さない」社会を実現するため、一人ひとりの保護と能力強化に焦点を当てた「人間の安全保障」の理念に基づき、世界の「国づくり」と「人づくり」に貢献していく。

出典:首相官邸

また、安倍総理が本部長、すべての国務大臣がメンバーになり、第1回「持続可能な開発目標(SDGs)推進本部会合」が開催され、続く2016年12月22日に第2回が開催されました。

この会合の中でSDGsの取り組みについて首相自ら大々的に宣言していますが、これは日本のSDGsに対する強い姿勢を表しているものだと言えます。
(宣言の内容はこちらを参照)

また、日本政府は国連本部の会合に際して、ヒット曲「PPAP(ペンパイナッポーアッポーペン)」で知られるピコ太郎に替え歌パフォーマンスを依頼して、SDGsの普及啓発もしています。

得意な分野でSDGsに貢献する日本企業の具体的な取り組み

SDGsの基本のキ! なぜこの言葉に世界が注目しているのか_画像

”ジャパンSDGsアワード”で高い評価を受けた「株式会社LIXIL」

その他にも日本国内におけるSDGsの取り組みを見ていきましょう。

日本にはジャパンSDGsアワードというものがあります。これはSDGsの達成に向けて、優れた取組を行う企業や団体などを表彰する制度で2017年に第1回目が行われました。

2018年の第2回目では、株式会社LIXILの取り組みが高く評価されました。

株式会社LIXILは、トイレが設置されていないことによる途上国での衛生環境問題の解決を目指し、「みんなにトイレプロジェクト」をおこなっています。

同社のトイレ1台が売れるごとに、簡易式トイレ1台を途上国へ寄付するものです。

トイレの設置にはインフラ整備が不可欠なので、国際機関やNGOとパートナーシップを組むことでこの活動を広めています。

その他の日本企業の取り組みから知るSDGsへの本気の姿勢

他にも、株式会社ヤクルト本社が「ヤクルトレディ」の宅配システムを途上国に導入することで、女性に就労機会を提供し、社会進出を後押ししています。

また、株式会社フジテレビジョンはテレビの強みを活かして、SDGsをテーマにした日本初のレギュラー番組を放送することで、認知度の向上と活動内容をわかりやすく映像で紹介することに貢献しています。

このように、私たちの身近な企業のSDGsの取り組みを知ると、日々の生活の見る目が変わりますよね。
(その他企業のSDGsにおける取組はこちらをご覧ください)

具体的な取り組みをおすすめているところから、日本全体がどれだけ本気でSDGsに取り組んでいるかが見えてきますね。

私たちにもできるSDGsの取り組み

SDGsの基本のキ! なぜこの言葉に世界が注目しているのか_画像

では、私たちにはどんなことができるのでしょうか?

国際連合センターが2018年12月に持続可能な社会のために ナマケモノにもできるアクション・ガイドというものを発表しました。その内容はレベル1からレベル4に分けられており、約40種類の個人でできるアクションが明記されています。

次にいくつか絞ってご紹介しますが、私たちがいますぐできることばかりで驚きました。

レベル1『ソファに寝たままできること』
・「請求書が来たら、オンラインかモバイルで支払おう。紙を使わなければ、森林を破壊しなくて済む」
・「印刷はできるだけしない。覚えておきたいことをオンラインで見つけたら、どうするかって?ノートにメモしたり、もっといいのはデジタル付箋を使って、紙を節約すること!」

レベル2『家にいてもできること』
・「短時間のシャワーを利用しよう。ちなみに、バスタブ入浴は5〜10分のシャワーに比べて、水が何十リットルにも余計に必要になるよ」
・「窓やドアの隙間をふさいでエネルギー効率を高めよう!」

レベル3『家の外でできること』
・「詰め替え可能なボトルやコーヒーカップを使おう。無駄がなくなるし、コーヒーショップで値引きしてもらえることも!」
・「買い物にはマイバッグを持参しよう。ビニール袋は断って、いつもトートバッグを持ち歩くようにしよう」

レベル4『職場でできること』
・「職場のみんなが医療サービスを受けられているかな?労働者としての自分の権利を知ろう。そして不平等と闘おう」
・「通勤は自転車、徒歩または公共交通機関で。マイカーでの移動は人数が集まって時だけに!」

このように具体的に取り組めることを知ると、どこか遠い存在だと感じていたSDGsが、私たちにとっても強く結びついていることがわかりますね。

私たちの日々の努力でできる次世代のための明るい未来の実現

SDGsの基本のキ! なぜこの言葉に世界が注目しているのか_画像

これまで紹介してきた通り、日本国内も含めて世界中で多くの活動がされており、注目度の高さがうかがえるのではないでしょうか。

なにも特別なことはありません。SDGsのことを知ることだけでも大きな一歩です。次は日々の暮らしの一部を変えてみたり、友達とのランチの話題に出してみるだけでも、世界のみんなで取り組んでいるその中に入れているのです。

“誰一人取り残さない”ために、それぞれができる活動があるかと思います。ご自身の所属する企業・団体でもSDGsに関する動きがあると思いますので、積極的に参加してみてはいかがでしょうか。

子どもや孫、さらに次の世代まで、いつまでも明るい社会が続くとよいなと思います。

あなたにおすすめ