デキるビジネスパーソンは知っている?初詣の歴史と一味違った詣り方

初詣 歴史

単なる初詣ではなく、いつもと一味違う初詣へ
新たにスタートする年の始まり。

「今年は仕事で成果を上げたい。」
「いい人と巡り合うご縁があれば。」
「今年も家族が全員健康でありますように。」

そんな思いで、毎年家族や友人、また会社の上司・同僚と初詣に行かれる方も多いのではないでしょうか。

今回は、そんなお正月のスタートを切っていくに欠かせない「初詣」をピックアップして特集します。意外に知られていない初詣の歴史、なぜ初詣の風習は広まっているのか?、最低限のマナーってあるの?初詣をうまく活用していくには、など盛り沢山です。

初詣とは?

初詣とは、その年初めて神社や仏閣へ参り、新年の無病息災や平安無事などを祈ることを指します。一年の感謝を捧げたり、新年の無事と平安を祈願したりするしますが、別に初参・初参りともいい、元旦早朝から行われることが一般的でした。

歴史:「年籠り」と「恵方参り」

古くは、日が暮れる頃が一日の終わり、日が暮れた夕方からが一日の始まりとされていました。
よって、31日の大晦日の夕方からがお正月でした。この大晦日の夕方から元旦の朝にかけて、家長(家の代表者)がその土地の氏神様をまつった神社に泊まり込み、夜通しその年の豊作や家内安全などを祈願しました。これを「年籠り(としごもり)」といいます。

そこから、お正月には各家庭では門松をたて、鏡もちやおせち料理を作ってその年にやってくる年神さまをお迎えします。
その年神さまがいる方角にある神社にお参りすることが「恵方参り」です。この「年籠り」と「恵方参り」の行事が、現在の初詣に由来しているといわれています。

初詣が一般に広まったのは比較的最近で、明治時代中期あたり「鉄道の普及」が関係しているといわれています。単に信仰心からお参りするというだけではなく、当時はまだ新しかった「汽車」に乗り、「郊外」に遊びに行く、ということ自体を楽しみ始めたのです。官鉄の汽車、民営の京浜電鉄などが川崎大師に路線を開通させ、鉄道会社による参拝客の奪い合いが起こったとされる当時の資料もあるそう。

現在の初詣の形式

現在では、元旦~3が日にかけて初詣を行うことが一般的とされています。参拝した人々は、おみくじを引いて新年の運勢を占ったり、絵馬に願い事を書いたりして新しい年の幸福を祈願するスタイルです。

また、近年の初詣参拝者数の順位を見ると、最も数が多いのは明治神宮で、次に成田山新勝寺、川崎大師と続いています。それぞれおよそ300万人の人出があります。

参考
 京都地主神社『初詣はどうやって始まった?』
 【初詣の歴史】知っていますか? 鉄道から始まる「初詣」の100年

初詣で知っておきたい最低限の作法

社会人なら知っておいて損がないのが、神社での作法です。神様にお願いごとをするためには、正しい作法で参拝することも大切です。知っている人も改めて復習されるのも良いかもしれません。

鳥居から参道

「衣服を整え鳥居で一礼」「端を潜り、歩く」

鳥居は外界と聖域の境界線を表します。立ち入る時には衣服を整え、鳥居の前で軽く一礼します。その後、真ん中を避けて端を歩いて通ります。(真ん中は神様の通り道とされているので、基本的には避けて通るようにしましょう)

手水所での清め方

参拝する前に手水所に立ち寄り、心身を清めます。

(手順)
1.ひしゃくを片手で持ち、水をすくいます。その水で左手→右手の順にすすいで手を清めます。
2.残した水を左手に受けて口にふくんで清めます。(ふくんだ水は溝に流す。)その手を清めます。
3.ひしゃくを垂直にたて、残した水をつたわせながら、ひしゃくを清めます。
4.ひしゃくをもとのところに 置いてお清め完了です。

拝み方

二礼二拍手一礼が基本です。

(手順)
1. 拝殿の正面に立ち、お賽銭(さいせん)を入れます。(お賽銭は自由。)
2. 2回、礼をします。
3. 柏手を大きく2回打ちます。(右手を少しずらして、いい音が神さまに届くように)ここで願いごとを伝えます。
4.もう1回、礼をして終了です。

参考:宗教法人 東京都神社庁 『参礼の作法』

また、お賽銭に関しては金額は自由とされていますが語呂合わせで、縁起がいいと好まれる額もあります。例えば、5円は「ご縁がありますように」、15円は「十分ご縁がありますように」、25円は「二重にご縁がありますように」、45円は「始終ご縁がありますように」。反対に10円は「遠縁」になるから避けたほうがいいとも言われます。

神社仏閣をうまく活用してきた経営者

さて、作法まである初詣を第一線で活躍する経営者やビジネスパーソンはどのように活用しているのでしょうか?
古くは、時代の覇権を握った天下人、つまり武将、政治家、財界人に至るまで成功した人にもある共通点があります。それは神社に行っているという点です。
事例も交えて紹介していきます。

松下幸之助

経営者では、経営の神様と言われる松下幸之助氏が石清水八幡宮を信仰していると言われています。著書に「手を合わすという姿は、ほんとうは神仏の前に己を正して、みずからのあやまちをよりすくなくすることを心に期するためである」(『道をひらく』)と記されています。

自分を心の底から振り返るために活用されています。

稲盛和夫

京セラ名誉会長でKDDI、そして日本航空の再建も手掛けた稲盛和夫氏は、万策尽きた技術者に「おい、神様に祈ったか?」と声をかけたこともあるそう。京セラの長野岡谷工場には神社があり、7年に一度、御柱祭が行われています。

万策尽きたという点がポイントかもしれません。全て人事を尽くした人にこそチャンスが与えられるということでしょうか。

他にも、
・楽天の三木谷浩史氏
・DeNA創業者の南場智子オーナーと横浜DeNAベイスターズの監督&主要選手も必勝祈願などでとある神社に通っています。

参考:成功した人が神社に行く理由

まとめ

年始に昨年1年の感謝と心新たに自分との約束を契る場所でもある初詣。初詣に限ったことではありませんが、交通事情や商業事情が文化に影響を与えてきたというのは興味深いですね。

歴史の背景や著名な方の詣で方もヒントに、いつもと違った視点で参拝されてみるのはいかがでしょうか。初詣で心を整えて、新年をフレッシュにスタートしていきましょう。

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