最近送っている?大人だからこそ知っておきたい年賀状のマナー

年賀状 マナー 大人 書き方

­年賀状は過去の文化?!

普段のコミュニケーションも電話やメールを初め、便利なSNSが発達し、LINEやFacebook、Instagramなどで遠方の親戚や友人ともリアルタイムで写真や動画を通じてコミュニケーションを取れる時代になりました。

しかし、そんな中でも年配の方や若い方でも多くの人が新年の挨拶として年賀状を送っていることもまた事実です。今回は、そんな年賀状の歴史や社会人なら知っておきたいマナーついてご紹介していきたいと思います。

­年賀状の由来

物心ついた時から周りが送っているからと当たりまえのように書いていた年賀状。昔から親しまれている「年賀状」も意外にそのルーツを知っている人は少ないのでは?その年賀状の由来について見ていきましょう。

実は郵便制度前から“年賀状”は存在していた!?

­一般的には、日本では明治初めの郵便制度発足時、もしくは昭和24年のお年玉付き年賀葉書の発行時から年賀状がスタートしていると思われている方が多いようです。確かに制度やツールが整った時が、一般には存在した初めと認識されるでしょう。

しかし、歴史を遡ると、世界に視野を広げて見ても“古代”から、年賀の習慣があったされています。

いわゆる四大文明でも、新年を祝う宗教的儀式の痕跡が多く見られます。人類の生産形態が狩猟採取から農耕牧畜に移ると、種まきや刈取りなどの時期を知るため「暦」が誕生します。それぞれの文化圏で、1年は約365日であることが発見され、その1サイクルの区切りとなる日が定められ、その日に前年の収穫を神に感謝し、新しい年の豊穣を祈ることは、きわめて自然な流れだったのでしょう。1年に1度、それぞれの健康を祝い、無事息災を願う心情は、人類にとって普遍的なものなのです。

そのような年賀の習慣は、当初、家族内や狭い共同体で、お互いに顔を合わせて行われていたのでしょう。しかし、社会が複雑化するにしたがい、その日に直接会えない親戚・知人の数も増えてきます。そんな人に対して、年賀の意を伝えるため、文字や紙の普及とともに書状が交わされるようになったことが想像できます。

ことに、陰陽道などの影響で正月が重視され、儒教など礼節を旨とする文化が根づいた東アジア(中国・朝鮮半島・日本)では、古くから、そういった「年賀の書状」が交わされていたのです。

日本の“年賀状” はいつ頃はじまった?

さて国内においては、初めての年賀の書状が取り交わされたのは7世紀後半以降のことだと推測されています。元々は百済から中国式の暦が伝わり、紙が比較的容易に手に入るようになるのは6世紀以降です。その後、7世紀中盤の大化の改新によりさまざまな制度が整えられ、遠くの人との書状のやりとりが行われるようになるのは、これ以降と見る説があります。

さすがに、誰がスタートしたのかまで正確な資料は現存していないようですが、平安後期に藤原明衡によって編算されている往来物(おうらいもの・手紙文例集)「雲州消息」には、年始の挨拶を含む文例が数編収められており、当時少なくとも貴族階級の中には、離れた所にいる人への「年賀の書状」が広まっていたと考えられます。それ以降、一般庶民にも江戸時代以降にで、町飛脚(まちひきゃく)などを使って町人などが手紙を出すようになりました。明治時代になって郵便事業の創業や郵便はがきの発行などにより、より広まっていったと言われています。

郵政研究所付属資料館,-人と人の心を結ぶ- 年賀状の歴史と話題
https://www.post.japanpost.jp/kifu/data/h0811_nenga.pdf

年賀状をめぐる文化を展示したWeb上の総合博物館「年賀状博物館」
http://www.nengahaku.jp/history-1.html

知っておきたい年賀状マナー

­そんな歴史ある年賀状にも社会人ならきちんと知っておきたいマナーがあります。今回はその中でも代表的な3つを抜粋してご紹介します。

­■投函と配達の時期
1月1日の元旦に宛先に届く年賀特別郵便の受付期間は、毎年次「12月15日~24日」の期間とされています。
離島などでなければ、期限より遅れても1月1日に届くこともありますが、なるべく指定期間に投函出来ると安心ですね。

■喪中の場合
通常、2親等以内の親族(親・兄弟・子供など)が年内に亡くなった場合は、「喪中なので、年賀状は出せません」という知らせ=「喪中欠礼はがき」を出します。

また、「喪中欠礼はがき」が届いた場合は、その相手には年賀状を避けるのが普通です。もし喪中はがきを出す場合には年賀状の準備前の11月ごろが理想的と言えます。加えて、年内に喪中であることが投函後に分かったときは、すぐにお詫びの連絡を入れ、別途で寒中見舞いなどでお悔やみを兼ねた書状を出しましょう。

■年賀を出していない人から頂いてしまった場合
仮に、出し忘れてしまった人などから年賀状が届いたという場合もあるでしょう。その際には、返事を書かないことがもっとも失礼にあたります。なるべく早く返信するのが良いでしょう。この時に、年賀状の発送が遅れた理由を書く必要はありません。

参考:年賀のマナー
http://www.nengahaku.jp/manner-1.html

­まとめ

­こうしてみると歴史ある年賀状も効果的なコミュニケーションの方法の一つ。普段連絡を頻繁には取り合わない親戚やお世話になっている方、また遠方の友人とのご縁を紡ぐこともできます。便利な電話やメールやSNSとも合わせて活用しながら、昔ならではの年賀状の手書きの温かさも込めてお互いを思いやる、一味違う日頃の感謝を伝えてみるのはいかがでしょうか。

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