レシートは必要だけど困ることが多い
みなさんはレジでレシートを受け取ったらあとの処理に困っていませんか?結局、私の場合は次の2パターンのみです。
1. 不要レシート入れに直行
2. 貯まって財布がパンパンになる
ここで気づいたことは、“どちらのパターンもあまりいいことではない”ということ。受け取って家計簿をつけるにしてもめんどくさがり屋の私はけっこう貯めてしまって財布がいつもパンパンでなんとなく窮屈に感じていました。
せっかくキャッシュレス化が進んでスマホだけで決済できる時代になったのに、決済情報の書いた紙を受け取らなくてはならないのか?「あ、要りませんよ」と毎回言わなくてはならないというのも若干ストレスではあります。
もっとスマートにならないかなと思っていたら電子レシートというなかなか素敵なサービスが実現に向けて動いているということを知りました。
レシートの情報をスマホでデータ管理する“電子レシート”
ざっくり言うと“レシートを紙ではなく電子データとして受け取る”ということです。
レジで支払った後に電子レシートアプリでレジ画面のQRコードを読み取って、電子レシートをダウンロードしたり、メールに送られたりといったイメージです。
スマホ決済であればピピッとやったり、QRコード決済といった現状のアクションで同時に電子レシートをゲットしてしまうことも技術的には可能なはずです。つまり、決済機能だけでなく、レシートまでもスマホで管理することが可能になります。
電子レシートは日本ではまだまだ目にすることは少ないと思いますが、政府が音頭を取って普及に向けて動いている今、電子レシートが普及したらこんないいことなるよーということをご紹介します。
私たち消費者にとって電子レシートのメリット
社会的なメリットやお店側のメリットもありますが、まずは私たち消費者としてのメリットを中心に電子レシートのここがスゴイ!というポイントはこちらの3つです。
1.管理がラク
とにかく管理がラクになります。いままで財布に貯めてまとめて家計簿アプリにいれたりしてましたがこれが結構めんどうなんです。たまにサボってしまったり、そもそもレシートもらい忘れたりして手間をかけている割には内容はボロボロでした。これってやってて意味あるんかな?と思いながらも家計簿つけてました。
それがなんと会計時にQRコード読み取る、もしくは勝手にスマホに入れてくれるようになるんです。つまり勝手に家計簿を埋めてくれるという生活が待っているのです。さらに“先週のアレ、どこで買ったんだっけ?いくらだったんだっけ?”など、忘れてしまった買い物もすぐに確認することも可能です。
2.財布がかさばらない
すぐレシートで財布がパンパンになってしまう私にとってはかなり助かります。もらったレシートの処理や管理がけっこう手間でなんとなく先延ばしにして気がついたら財布パンパン。結局、その処理もめんどうになって箱にとりあえず入れて保管しとくか・・・ということが多いのが現実です。財布をパンパンにしてまで取っておいているのに結局うまく使えてないなんて大きなムダですよね。
それがなんと“会計時にスマホに入れる”というという概念の登場です。デジタル化することで物理的な大きさはゼロとなります。キャッシュレス化が進み、スマホが本当に財布代わりになって財布が不要になる日も近いと思います。
3.レジでのやりとりがかなりスマート
スマホ決済のいいところはやりとりがスマートなところだと個人的には感じています。イメージでいうと“ピッとやってパッ!!”で完了という感じです。
財布からお金を出したり、お釣りを受け取ったり、ポイントカードを提示したりという一連の動作が“ピッとやってパッ!!”で完了するのがかなり気持ちがいいです。電子レシートなら印刷したレシートを受け取るというやりとりもなくなりさらにスマートになりますね。
お店側にとって電子レシートのメリット
お店側にもかなりのメリットがあります。
まずはコスト削減。レシートの感熱紙ロールが不要となります。感熱紙ロールの在庫管理の手間や保管場所も不要になることは大きなメリットです。
次にレジでの混雑を回避できるようになります。電子決済と電子レシートの合わせ技でお会計時にお客さんを待たせる時間を短くすることができますこれはレジ前で並ぶお客さんにとっても嬉しいことです。
あとは個人と売り上げデータが紐づけることが可能となり、発注予測の精度の向上に繋げることができるようになります。
普及に向けた課題
消費者にとっても企業にとってもいいことだらけの電子レシートですが、乗り越えるべき課題があります。
1.フォーマットの統一化
スマホに情報を送るに当たってどのような情報をどのような形式にすればいいのかを決める必要があります。これは現在、経済産業省が旗振り役をして進めている案件です。2018年2月に一部地域で実験的に導入した結果を元に検討中だそうです。
政府が“ではコレで行きます”とGOサインを出せば、民間企業が対応したシステムを製品化してくれることで普及が一気に進むのではないでしょうか。
2.会計書類としての機能
会社の経費精算にはレシートが必要です。それには紙として出力されたものでいわゆる“会計書類”としての機能が有効です。現状のままでは電子レシートで済ませてしまうと経費として計上できません。そこで電子レシートも会計書類として有効になるような法整備が必要になります。
2017年の法改正でレシートのスキャンデータが会計書類として有効とされるなど、徐々ではありますが電子データが会計書類として認められはじめています。電子レシートが会計書類に使える日も来ています。
3.個人情報の管理も重要
個人の買い物の履歴が電子データとして整理されることはそれを受け取る側も提供する側にもメリットがあると述べてきましたが、この情報が流出してしまったらとんでもないことになってしまうのは容易に想像がつきます。
大切な情報だからこそ流出しないような仕組みづくりや流出しても大丈夫なように暗号化したり、そもそも個人と紐付けしないなど、情報の扱い方には十分な安全策の検討が必要です。
4.システム導入コストを下げる
システムがどんなに素晴らしくても日本全国に普及させるとなると“簡単で安価”であることが求められます。最近ではPayPayなどのQRコード決済がものすごいスピードで導入されていますが、あれはお店側とお客さんがただスマホにアプリを入れるだけなので一気に普及したのです。
現実的なのがレジの画面にQRコードを出してそれをお客さんが読み取ったらスマホにレシートを電子データとして保存できるという手法かなと個人的に考えてます。タッチ機能で決済と電子レシートの受け取りを同時に済ませるというのが一番理想ですが、モバイルSuicaなどのタッチ機能のあるレジ自体の普及がそこまで多くはないので、最初はQRコードとタッチ機能のいずれかをお店が選ぶというようになっていくのではないでしょうか。
地球のために世の中のムダをなくす!サスティナブルな社会の実現でより良い未来へ
サスティナブル(持続可能な社会づくり)という概念が注目されている世の中においてはこれはまさに大事な課題でもあります。情報だけが必要なのにわざわざ紙にしてお客さんに渡すってコレほどまでにムダなことはなんとか解決したいです。
電子レシートが普及すればゴミも削減できますし、そもそも作らなくてよいのです。最初からゴミになるものを作る意味ってあるのだろうか。さまざまな課題もありますが、電子レシートが普及すれば消費者にとっても嬉しいことが多いですし、地球にとっても優しいことなのです。
より良い将来のために世の中のムダをなくしていきたいという観点でこれからも発信していけたらと思います。