「どうやって人間関係を築くんだっけ?」
「どうやったら人を信じられるんだっけ?」
大人になって、新しく人間関係を築くことが難しくなったなぁと感じる方もいるのではないでしょうか。とはいえ、仕事の都合で突然部署が変わったり、上司が変わったり、新入社員が入ってきたり…
予期せぬところで新しい人間関係を築かなければならない状況もあるかもしれません。
今回紹介する『スキップとローファー』は、高校進学をきっかけに田舎を飛び出し、1から人間関係を築きながら青春を送る少女の物語です。
新しい環境に飛び込むときの期待と不安、そして1から人間関係を築くことの難しさと楽しさが描かれ、人間関係を築く上で大切なことがたっぷり詰まっています。
進級・進学・就職・転職など、新しい環境に飛び込む不安を感じている方におすすめの作品です。
田舎から上京した高校生の新しい挑戦!『スキップとローファー』
主人公は石川県の田舎から高校進学のために上京した岩倉美津未・15歳。高校を卒業したら、T大法学部、総務省、官僚と人生を進めていきたいと、明確な人生設計を持つ女の子です。
夢を叶えるために高校3年間を過ごすと決め、期待に胸を膨らませて東京に来た美津未でしたが、登校初日に電車に乗り間違え、人酔いし、大都会の前に撃沈。そんなとき、偶然にも同じ高校に入学する聡介と出会い、無事に高校に到着するのでした。
『スキップとローファー』の主人公に学ぶ愛される人間関係の作り方
美津未の通っていた地元の学校は、全校生徒が8人。8人とだけ人間関係を築いてくればよかったのですが、東京ではそうはいきません。イケメン、帰国子女の美女、彼氏が欲しい高校デビュー女子、目立ちたくない女子など、さまざまな人がいます。
最初こそクラスメイトから変わり者でとっつきにくいと思われていましたが、ピュアさや優しさなど本来の美津未の良さに周りが気付きはじめます。
人から誤解されやすい彼女が、なぜ周りに愛され、友人に囲まれるようになったのか。その理由を3つご紹介します。
1. いつでも前向きだから人が集まる
美津未の良いところは前向きさです。
美津未の周りには、イケメンの聡介と仲良くなった美津未を利用しようとしたり、男女の仲になることに対して釘をさそうとしたりする人もいます。美津未は意地悪でかけられた言葉に気付かず、人から指摘されて初めて、かけられた言葉の裏側を知ります。
しかし、言葉の意味を考え過ぎても仕方ないと吹っ切れて、持ち前の前向きさで物事をプラスに捉え、行動するようになります。
人の目を気にしすぎたり、言葉を気にしすぎたりしない、裏表のない本来の美津未。
物事を前向きに捉えられるのが彼女の魅力で、その姿勢に人は引き寄せられるのです。
「美津未と一緒にいると楽しい」と感じる人が集まってくるのですね。
2. 人にウソをつかないから信頼される
美津未はウソをつきません。自分の思っていることしか言えないので、わかりやすいのです。
自分がいいと思ったように行動するため「みんなと一緒だと楽しい!」と素直に人を誘った結果、実は仲があまりよくなかった友だち同士の架け橋になっていたりもします。
とある友人の触れられたくない過去を知ってしまった時も、噂を鵜呑みにせず、友人がみんなの前で話さなかった理由までを想像して口外しませんでした。
人の心を大切にするからこそ、人から大切にされ、それが信頼へと繋がるのですね。
3. 人の親切に目を向けられると素敵な出来事が集まる
美津未の美徳は、人の良いところに目を向けられることです。
体育館の使用をめぐって上級生といざこざがあった時、ムカツク上級生ではなく、その時に助けてくれた上級生に目を向けます。
例えば、嫌なことをされても、嫌なことだけに目を向けるのではなく、されて嬉しかったことに目を向けられること。だからこそ、美津未には「嬉しかったこと」や「良かったこと」だけが心に残るのです。
ものの見方のちょっとした違いが結果を大きく変える
美津未は特別な能力があるわけではありません。いつでも自然体で周りと接し、同じくらい自分にも正直に生きています。
美津未の周りには美津未を大切にしたいと思っている人が多いです。それは美津未が周りのことを大切にしてきたからです。
人間関係は自分の鏡だと言われるように、まずは自分がどういう自分だったらいいか、どういう人と会いたいかをイメージするとこから始めると良いかもしれませんね。