食品や化粧品などでよく聞かれる「オーガニック」。なんとなく体や環境に良さそうというイメージはあっても、オーガニックが何を意味するのか、正しく把握している人は意外と少ないかもしれません。
また、オーガニックと混同されやすい言葉に、「無農薬」や「ボタニカル」などがありますが、それぞれどのような違いがあるのでしょうか。
ここでは、オーガニックの意味やオーガニック製品のメリット・デメリットなどをご紹介します。
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オーガニックは「有機」を表す言葉
オーガニックは「有機」という意味で、農薬や化学肥料に頼らず、自然の恵みを活かした農林水産業やその加工品を指します。
農産物だけでなく衣食住すべてに関わる概念
「有機栽培」「有機農業」といった言葉から、オーガニックと聞くと農産物をイメージする人は少なくありません。しかし、オーガニックは農業や栽培法だけでなく、生産加工方法全般を指す言葉。さらに近年では、「オーガニックコスメ」「オーガニックコットン」「有機空間」など、衣食住すべてに関わる概念として広がってきました。
世界規模のNGO団体であるIFOAM（国際有機農業運動連盟）はオーガニックについて、「生態系」「健康」「公正」「配慮」の4項目を原則として挙げています。オーガニックの取り組みは広く、さまざまな目的を持っています。
オーガニックコットンについてはこちらの記事もご覧ください。
特定の基準をクリアしなければ「オーガニック」を使えない
商品がオーガニック（有機）と名乗るためには、第三者機関による基準を満たし、認証を受ける必要があります。例えば、有機JASは、農林水産省が定めた有機JAS規格の基準をクリアしなければなりません。規格をクリアした物だけが有機JASマークを利用でき、それがない物は農産物や畜産物、加工食品には、「オーガニック」「有機」などと表示することはできないのです。
認証については有機JASだけでなく、USDA認証（アメリカ）やEU有機認証（EU）、ACO認定（オーストラリア）など、各国で厳しい認証制度を設けています。
オーガニック認証についてはこちらの記事もご覧ください。
オーガニックのメリット
オーガニックの目的は環境保全ですが、環境に負荷をかけない生産方法を行うことで、さまざまなメリットが生まれます。一般的に「体に良さそう」「環境に良さそう」というイメージがありますが、具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか。
環境にやさしい
オーガニックの目的であり、一番のメリットは、環境にやさしいことでしょう。化学的に合成された肥料や農薬を使用しないオーガニックは、水質汚染や土壌汚染を防ぎ、自然の生態系の多様性に影響しません。また、有機物を使用した土づくりは炭素を増加させるため、結果として地球温暖化防止にも役立つといわれています。
安心、安全
オーガニックの大きなメリットが、食品の安全性の高さです。化学的に合成された肥料や農薬の使用を制限されている有機栽培では、農作物の残留農薬を体内に取り入れるリスクを大幅に下げられるでしょう。化学合成添加物や遺伝子組み換え原料を使用していないため、体に悪影響のある添加物を摂取する可能性も下げられます。
コスメやシャンプーなどの場合も、薬品や化学成分を使っていないことで肌への負担が少なく、敏感肌の人でも安心して使いやすいでしょう。
人体や動植物にやさしい
化学的に合成された肥料や農薬を使わないメリットは、人体への安全性だけではありません。土壌にまかれた化学的に合成された肥料や農薬は、害虫を殺すだけではなく、川や海に流れ出てさまざまな動植物の生態系に、悪影響を及ぼすといわれています。
化学的に合成された肥料や農薬を制限した有機栽培は、動植物にもやさしい栽培方法といえるでしょう。
SDGsに貢献する
自然の生態系や環境にやさしいオーガニックは、SDGsが目指す持続可能な社会の実現にも貢献します。
特に、「3.すべての人に健康と福祉を」「12.つくる責任 つかう責任」「13.気候変動に具体的な対策を」「15.陸の豊かさも守ろう」といったSDGsの目標達成に対して、オーガニックは有効な手段のひとつとなるはずです。
オーガニックのデメリット
環境にやさしい、安心・安全など、さまざまなメリットがある一方で、オーガニックにはいくつかのデメリットもあります。
添加物を使わないため保存が難しい
オーガニック食品は、保存料や酸化防止剤などの添加物を使用していないため、長期保存ができない物が多いです。食品以外のコスメやシャンプーなども、防腐剤や保存料を含まないため、一般的な商品に比べて使用期限が短くなっています。購入後は、できるだけ早めに食べたり使いきったりしなければいけません。
コストがかかる
化学的に合成された肥料や農薬の力に頼らない有機栽培は、一般的な農業に比べて多くの人手や技術を要します。また、有機JASなど、オーガニック認定を取得するのにも、手間や時間がかかります。
その分、コストがかかるため、一般的な商品よりも価格が高くなるというデメリットがあるでしょう。
生産量が少ない
国内の農産物の総生産量のうち、有機栽培された農産物が占める割合は、茶で6％程度、野菜や大豆は約0.4％、米や麦は0.1％弱です。一般的な農作物に比べて圧倒的に収穫量が少なく、流通量もさほど多くはありません。
たとえオーガニックを生活に取り入れたいと思っても、すべてをオーガニックに切り替えるのは難しいのが現状です。
オーガニック食品の購入についてはこちらの記事もご覧ください。
オーガニックと混同しやすいもの
オーガニックと混同されがちな言葉に「無農薬」「ボタニカル」「無添加」があります。どれも自然派でナチュラルなイメージがありますが、それぞれの意味の違いを確認しておきましょう。
無農薬
無農薬とは、その名のとおり「農薬を使っていない」という意味です。
オーガニックでは化学的に合成された農薬は使用しませんが、無農薬とは限りません。有機認定されている農作物でも、天然由来など特定の農薬の使用は認められています。「農薬だから体に悪い」とは言い切れないところに注意してください。
ボタニカル
ボタニカルは、「植物の」「植物由来の」という意味です。ボタニカルには特に定義がなく、「ボタニカル」と名乗る基準はありません。植物由来の成分を配合していたり、植物を使っていたりする商品がボタニカルと呼ばれますが、その植物が有機栽培されているかどうかは問われません。
植物モチーフの柄をボタニカル柄、植物を多用したインテリアをボタニカルインテリアと呼ぶなど、ボタニカルが使われる範囲は幅広いです。
無添加
無添加とは、「添加物を使用していない」という意味ですが、何を添加物とするかは製品によって異なります。例えば、食品の場合は、厚生労働省が定める保存料や甘味料、着色料などの食品添加物が使われていない製品を指すもの。また、化粧品の場合は、防腐剤や香料、合成色素などを使用していない製品が「無添加」と表示されています。
つまり、無添加とは、「特定の物質が使用されていない」ということを表す言葉です。必ずしも添加物を一切使っていないという意味ではないため、注意しましょう。
オーガニックをライフスタイルに取り入れるには？
「生活にオーガニックを取り入れたいけど、何から始めたら？」と悩む人もいるでしょう。ここからは、ライフスタイルに取り入れやすい、おすすめのオーガニック製品をご紹介します。
プランプエッセンス
プランプエッセンスは、99.9％天然成分で作られた、美容液のようなローションです。水の代わりに、最高峰のバラといわれるブルガリア産ダマスクローズのローズウォーターをベースにしています。とろりと広がる濃密でラグジュアリーなテクスチャーが肌を包み込み、べたつきを残しません。
国際的オーガニック認証を取得した、日本国内の工場で製造されています。
ボディバター パッションフルーツ
ボディバター パッションフルーツは、トロピカルナッツバターとハワイの植物を、独自のブレンドで仕上げています。クリーミーなやわらかさでべたつかず、乾燥した肌にしっとりとしたうるおいを与えます。ボディケアだけでなく、ヘアケアやハンドケアにも使用できるところもうれしいポイント。
オーガニック認証を受けた植物の天然成分のみを使用しています。
Ola Tropical Apothecary「ボディバターパッションフルーツ 177mL」
ハンドウォッシュ シドニーペパーミント＆ローズマリー
オーストラリアブッシュオイルとエッセンシャルオイルが絶妙に調合された、ラグジュアリーな香りのハンドウォッシュ シドニーペパーミント＆ローズマリー。天然成分が手や指にうるおいを与えながら、汚れをやさしく落とします。
ナチュラル・オーガニック原料のみで作られ、植物の力を最大限に引き出した製品です。
BONDI WASH「ハンドウォッシュ シドニーペパーミント＆ローズマリー」
やさいのバーニャカウダーソース ニンジン
「”畑の恵み”と”楽ちん”を瓶に詰めました。」をコンセプトに、化学調味料や保存料などを一切使っていないやさいのバーニャカウダーソース。環境にやさしい農業で神奈川県から認定を受けた、ブロ雅農園の旬なニンジンを使い、アンチョビの代わりに新潟県産の自然栽培米使用の塩麹で作りました。
FARM CANNING「やさいのバーニャカウダーソース ニンジン」
オーガニックの意味を知って上手に生活に取り入れよう
化学的に合成された肥料や農薬、遺伝子組み換え技術を使用しないオーガニックは、環境へのやさしさなど、さまざまなメリットがあります。一般的な商品に比べてまだまだ数は少ないものの、オーガニック食品やオーガニックコスメなど、身近に取り入れやすい商品の種類も増えてきました。
人と地球にやさしいオーガニック商品を、お買い物の選択肢のひとつに加えてみてはいかがでしょうか。
