【金城 由希乃(きんじょう ゆきの)】ジーエルイー合同会社 代表。沖縄県沖縄市出身。「サンゴ死んじゃうよ」とダイバーに言われたことをきっかけに、自然にも人の肌にもやさしい日焼け止めを開発し、2017年に「サンゴに優しい日焼け止め」を発売。2020年には海洋ゴミの問題解決のため、ワンコインで手軽にビーチクリーンに参加して地元の人々と交流できる「プロジェクトマナティ」を開始した。
今回登場してくれるのは、「サンゴに優しい日焼け止め」を開発・発売しているジーエルイー合同会社 代表の金城由希乃さんです。
(前編はこちら)
2017年に発売した「サンゴに優しい日焼け止め」以外にも、地球の未来のために活動されている金城さん。今回は、そんな金城さんの想いやこれからのビジョンをお届けします。
地球にやさしい行動=自分を大事にすること
金城さんは、地球に優しい行動をするということは、自分を大事にすることだとお話してくれました。
「『地球を守ろう』というけれど、実際に地球自体は困らないと思うんです(笑)。だから地球を守ろうというよりも、地球にやさしい行動をして、わたしたちを守ろうなんだと思います。」
その地球にやさしい行動の身近な例の一つが、沖縄では、浅瀬にある珊瑚を踏まないこと。加えて、珊瑚のある海に生活の排水を流さないことなど、まずは地球にやさしい行動が何かを知ることが第一歩だと教えてくださいました。
「サンゴに優しい日焼け止め」の他にもできることがあるはずと考えた金城さんは、さらに他の活動にも力を入れていきます。
ワンコインでビーチクリーンに参加できる「プロジェクトマナティ」
金城さんは、2020年に海洋ゴミの問題解決のため、ワンコインで手軽にビーチクリーンに参加して地元の人々と交流できる「プロジェクトマナティ」を開始しました。
「西表島でゴミ拾いをしたいと思っていたら、ゴミ箱もゴミ袋なくて、ホテルに持って帰るわけにも行かなくて…。何もできずにすごく矛盾を感じたんです。モチベーションはあるのにすぐ行動できないのはおかしいなと。」
そんなきっかけをもとに、どんな人でも参加できるビーチクリーンの仕組みを考えるなかで、実は沖縄の各地で「やさしい人」がその地域の人たちだけでいろいろな取組みをやっていることがわかったそうです。
地域外から沖縄に来ても、なかなかそういう人に出会えないのが現実。でも、出会うきっかけがあればもっとその人たちの輝きが伝わるのではと考えた金城さん。「プロジェクトマナティ」のパートナーとして手を組んだ人たちの所へ行けば、500円で気軽にビーチクリーンに参加できる仕組みをつくりました。
やさしい人が増える世の中に
金城さんは「プロジェクトマナティ」の活動を通して、「500円払ってゴミを拾うことがかっこいい」と言われたり、やさしい人が「やさしいね」と言われる世の中になってほしいと話してくださいました。
「やさしい人が増えることが一番ですね。社会不安があると人は他のことを考えられなくなるもの。本来あるマナーとかもどうでもよくなってしまうので、そういう不安がなくなる世の中を実現したい。」
治安もよく、社会に大きな不満を持つ人が比較的少ない日本は、「いい線をいっている」からこそ、もっとよくなる!という想いで、金城さんは今日もご自身の活動に取り組まれています。
自分にできることを一生懸命に取り組む
自分が疑問に思ったこと、解決したいと思ったことにまっすぐ取り組み続けた結果、人にも地球にも優しい商品や新しいビーチクリーンの仕組みを創り出している金城さん。
数々の困難にぶつかりながらも、「お金がないなら知恵を絞る、諦めたことはない」と突き進んできたという金城さんのお話からは、人生を切り拓いていくヒントがたくさんつまっていました。
「地球にも、自分にもやさしい人が増えるといいな」わたしたちもそう思います。
そのために、わたしたちも引き続き様々なストーリーをお届けしていきます。