今こそ読みたい「学べる」長編マンガ3選

マンガは娯楽であり楽しむもの、こんなイメージを持つ読者の方もいるのでは。マンガ好きの人には理解できても、勉強になるという視点はなかなか読まない人にとっては共感しにくいもの。

ただ、日本の文化ともいうべきマンガは全世界で広く愛されている物でもあります。その背景には、子供から大人まで年代問わず広く親しまれており、海外の人が日本の文化を学ぶきっかけとなっているのも事実。

そこで今回は、マンガは普段読まない、興味はあるがなかなか読む機会がないという方に向けて、読むだけでも仕事に活きる長編マンガを厳選して3つご紹介します。マンガ主人公に自分自身がなったつもりで生きることで、実生活にも繋がる考え方のヒントが何か掴めるかもしれません。

中華統一における少年の立身出世物語『キングダム』原 泰久著

【あらすじ】
時は紀元前、春秋戦国時代。いまだ一度も統一されたことのない中国大陸は500年もの動乱期。
戦国七雄の一つ「秦国」の身寄りのない少年・信と漂は、今は 奴隷のような身なれど、いつか武功をあげて天下一の将軍になることを夢見て修行に励む。そんな二人が偶然、秦国の大臣に出会ったことから運命の歯車が動き出す!

【ポイント】主人公の成長+各将のキャラクターの多様性
「もはやマンガではない、ビジネス書である」と多くの経営者さえも言わしめるこの作品は、九州で一会社員を脱サラしスタートした筆者・原泰久氏の処女作。単行本発行部数が累計3300以上というのも圧倒的な数字ですが、特筆すべきは歴史特有の読みにくさがなく、キャラクターの個性が魅力的な点。奴隷から後の大将軍に成り上がる信の成長とバラエティに富んだ各将たちの独自の価値観からくるリーダーシップの発揮の仕方。人が人をまとめる、突き抜けて成長して成果を残すという点において、まさにビジネスそのもの。マンガを読みながら、経営論やリーダーシップ論まで考えさせられる一冊です。

マンガ界の金字塔『ONE PIECE』尾田 栄一郎著

【あらすじ】
〝ひとつなぎの大秘宝〟を巡る海洋冒険ロマン!!
時は大海賊時代。いまや伝説の海賊王G・ロジャーの遺した『ひとつなぎの大秘宝』を巡って、幾人もの海賊達が戦っていた。そんな海賊に憧れる少年ルフィは、海賊王目指して大いなる旅に出る!!

【ポイント】仲間を引き込むのはビジョンと行動
現在、91巻まで最新刊が続く少年ジャンプの大看板。小さな村から出た少年が大きな運命に巻き込まれながらも、自分の野望を目指し続ける中で、志惹かれあう仲間と出会っていく物語。お互いの長所を活かし合うことや、本音でぶつかりあってこそ分かりあっていくさまはまさに組織づくり。主人公ルフィの船長としての器量もリーダーそのもので見ものです。

一つの世界を突き詰める努力という名の才能『将太の寿司』寺沢 大介著

【あらすじ】
北海道小樽にて、寿司屋を経営する店主の息子が主人公・将太。ライバル店に父が酷い仕打ちを受ける中、父の代役として握り未経験から必死の修行で握り方を会得し、小樽での寿司コンテストに出場する。ライバル店には惜しくも負けるもその才能の片鱗を見抜いた東京の名店鳳寿司の親方の勧めから、東京での寿司修行に身を投じていく物語。

【ポイント】努力は才能で、努力を支えるのは感謝と想い
華麗な寿司の美味しそうな描写に魅かれることはもちろんですが、ライバルや修行先の先輩の妨害工作を跳ね除けて、自分の頭で正解を導き出していく姿はまさに起業家そのもの。圧倒的な試行錯誤の数を繰り返す中で、目の前のお客さんに「美味しい寿司を食べて喜んでほしい」という一心で成長を遂げる主人公から仕事に向き合う姿勢も学べます。『全国大会編』『将太の寿司2』まである本作品も読み応え十分。

まとめ

「マンガは楽しいだけのもの」このイメージが払拭されるだけでも、マンガの世界観は大きく広がります。マンガには感動があり、マンガには学びがあり、マンガは自分の人生そのものを投影します。時間のある今の時期にこそ、マンガという奥深い物語に足を踏み入れて、主人公を自身に投影させて世界を動かしていく体験をしてみてはいかがでしょうか。

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