日本国内でどれくらいの食品が“食べられるにも関わらず”捨てられているか、ご存じでしょうか?
環境省によると、年間646万トン(2017年)とされており、年間1人当たりに換算すると約51kgです。1日で見ると、1人あたりお茶碗1杯のご飯分の食品が捨てられている計算です。
また、2015年に国連世界食糧計画(WFP)が行なった食糧援助量は約320万トンなので、支援のために用意された約2倍の量を、日本人は捨てていることになります。
この現状に対して、私たちができることはあるのでしょうか?
食品ロス対策にアプリを使ってみよう!
食品が食べられるのに捨てられてしまう理由は、家庭では食べ残しなど、店舗では規格外や返品、予約キャンセル等による売れ残り、食べ残しなどが挙げられます。
「身近な対策として、何かできることはないか?」
そうして開発されたものの1つのが、食品ロスを解決するために作られたアプリです。
「本当は食べられるのに、捨てることになるなんてもったいない……」
「少し安くてもいいから、誰かに食べてほしい!」
というお店のニーズと、
「お得に食事がしたい」
「食料問題に協力したい」
「できれば世界の人たちに優しく過ごしたい」
というユーザーのニーズを合致させたサービスが続々と登場しているんです。
今回はそんな、食品ロスを回避できてお店も嬉しく、割安に食事ができるアプリの中で、東京都内で使えるものをご紹介します。
ぜひチェックして、お得に、かつ環境にも優しく過ごす暮らしのヒントにしていただければと思います。
月1,980円で1日2回まで好きな食事を注文できる“Reduce Go”
都内でもっとも使い倒せるアプリは“Reduce Go(リデュース ゴー)”でしょう。
食品ロスになってしまうかもしれない、余っている食品を月額定額でテイクアウトできるサービスです。料金は月間1,980円(税別)で、1日2回まで使えます。
毎日利用すれば、たったの1,980円で、最大で約60回分の食品を手に入れることができます。
出品されている商品としては、お昼過ぎにはパンや、夜はテイクアウト用の商品・お弁当の余りが多く、月に4〜5回使えば十分に元が取れそうです。
このアプリは特に、都内にお住まいで、家族のおやつや晩ご飯のおかずをお得にゲットしたい主婦の方や、時間の融通がきき、食費を抑えたいフリーランス等の方におすすめです。
新しいサービスということもあり、店舗数・受け取り時間に限りがあるため、仕事中のランチ等で使うよりも、帰り道に持って帰るパターンの方がチャンスが多そうです。
気になるお店の食品ロスをレスキューしに行こう!“TABETE”
“TABETE(タベテ)”は近くのお店で余ってしまっている食事を、1品から気軽にテイクアウトできるサービス。いつも使うわけではないけれど、ときどき使いたい方におすすめです。
おいしくお得に食事をレスキュー!というコンセプトにもある通り、アプリ自体がとても可愛らしく「お会計してレスキューに向かう」ボタンで注文を完了できるなど遊び心たっぷりです。
定額制ではないので元をとることは考えなくて良いのはポイントです。
登録店舗数が多く、本来なら少し食事の単価が高めのお店もあるので、近くの気になる店舗をお気に入り登録しておいて、通知が来たタイミングで試すのに使うのがおすすめです。
コンビニの商品を安く購入できるNo Food Loss(ノーフードロス)
上記でご紹介した2つのサービスにはまだ追いついていませんが、今後に期待が持てる2つのアプリもご紹介します。
No Food Lossは消費期限が近い商品を安く購入できるサービスです。
他のアプリと異なるのは、使える店舗がコンビニがメインだということ。袋入りのパンや、お菓子、カップ麺などもあり、自分の好きな“いつものあの商品”が安く見つかる可能性もあります。
ただし、現状使えるのは中堅コンビニグループ「ポプラ」系列の、ポプラと生活彩家のみなので、お近くに店舗がある方は一度チェックしてみてはいかがでしょうか。
購入すると寄付される&SNS拡散で寄付額UP!tabekifu(タベキフ)
基本的な仕組みは他のアプリと近く、余っている食品を割安に購入できる仕組みです。特徴的な点は、使った金額の一部が社会貢献団体へ寄付され、寄付先をWFPをはじめ国境なき医師団、テーブルフォーツーなどから選べることと、SNSでの拡散によって寄付額がアップすることです。
WFPと連携した取り組みのため、社会貢献度も高く面白い取り組みなのですが、2019年11月リリースのアプリのため、登録店舗数はこれからのようです。
美味しい食事をお得に食べてお店もみんなも心地よく過ごそう
食品ロスをなくすための取り組みが、さまざまなアプリで行なわれています。
余る食品が減り、お得に食事ができるのは嬉しいですし、環境問題・食糧問題にも身近なところから取り組めると素敵ですよね。
もちろん改善点もあると思いますが、使う人が増えていくことで意識も高まり、よりサービスが良くなっていくことが多いので、まずはサービスを使うことでより食品ロスを減らす動きに協力していけるかもしれません。