NPO法人湘南ビジョン研究所が主催し、理事長の片山清宏さんやエシカルアクション代表の安江省吾さんも登壇されるオンライン講演会があるということで参加してきました!
そのタイトルは、
「ロボット×ビーチクリーン ~ロボットと協力して海を守る社会~」
ビーチクリーン活動やそこに最先端のロボット技術を取り入れているお話、そしてそれらを踏まえた“持続可能な海辺の未来”について語り合う時間で、とても勉強になりました!
今回はその内容を簡単ではありますが、写真といっしょにご紹介します!
(記事内のスライド画像や講演会の様子の写真は、主催者及び参加されている方の許可を得て掲載しています)
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[目次]
・ ブルーフラッグと湘南ビジョン研究所の活動
- 世界ではメジャーな「ブルーフラッグ」
- クリーン活動の先にある持続可能なまちづくり
・ビーチクリーンロボットプロジェクト
- きっかけはロボットとの協働と宗像市の世界文化遺産
- 人とロボットの得意なことを活かしあう協働
ブルーフラッグと湘南ビジョン研究所の活動
NPO法人湘南ビジョン研究所を設立し、海の環境問題に取り組まれている片山さん。まずは「ブルーフラッグ」というビーチ、マリーナの国際環境認証についてお話ししてくださいました。
ライフスタイルモアでは、以前、片山さんにインタビューさせていただきました。その際の記事もぜひご覧ください。
【前編】アジア初のブルーフラッグ!湘南発、一人の情熱から広がる海とわたしたちの未来
世界ではメジャーな「ブルーフラッグ」
最近のニュースでいうと、2021年4月に片瀬西浜・鵠沼海水浴場がこのブルーフラッグ認証を獲得しました。これは民間では日本初とのこと。
ブルーフラッグ認証は世界でもっとも古い海の環境認証です。これを取得するためには、4分野・33項目の認証基準をすべてクリアする必要があります。
認証基準には、水質やビーチの清掃などはもちろん、海岸環境に関する教育活動やバリアフリー化なども含まれているんです。
取得するには国内と国際の審査があり、取得できたあとも毎年更新があるそうです。たしかに持続可能な海辺を実現するためには「毎年の更新」は欠かせませんよね。
このブルーフラッグは1985年にフランスではじまり、ヨーロッパ各地に広がって、いまでは世界47ヶ国4,671ヶ所で取得されています。ちなみに、アジアでは2019年に取得した鎌倉市の由比ガ浜海水浴場が初。
日本ではまだ認知度は高くないかもしれませんが、世界ではとてもメジャーな認証なんです。
クリーン活動の先にある持続可能なまちづくり
ブルーフラッグは認証基準が33項目あるので、取得に向けて活動することでその海の課題を明確にすることができます。さらに、取得できれば世界基準のブランド力をもてるので観光客が増えて地域の活性化にもつながります。
そうすれば、市民の街への愛着と誇りが生まれます。海岸のクリーン活動に特化して聞こえるかもしれないブルーフラッグは、実はもっと大きな概念。環境と経済を両立させた持続可能なまちづくりそのものです。(片山さん)
これはまさにSDGs。SDGsの17個のゴールをクリアするための活動と、ブルーフラッグの33項目の基準をクリアするための活動は一致しているんです。
世界的に注目されているSDGsの具体的なアクションとして、ブルーフラッグも注目されているそうです。
片山さんへのインタビューからも伝わってきましたが、最初の由比ガ浜で取得する際には多くの苦労があったそうです。
しかし、アジア初の認証取得がきっかけでどんどん国内に活動が広がっていき、いまでは全国各地からブルーフラッグに関する問い合わせがきているそうです。
ビーチクリーンロボットプロジェクト
続いて「ビーチクリーンロボットプロジェクト」についてお話してくださったのは九州大学の清野 聡子先生と九州工業大学の富永 歩さん。まずはこのプロジェクトの背景を清野先生からお聞きしました。
きっかけはロボットとの協働と宗像市の世界文化遺産
ロボットの力を活用することになったきっかけは、ビーチクリーンに以前から関わってきて下さった方々の高齢化や、若者の人口が減ったこと。拾ったゴミを運ぶのは、とても大変です。
そこで立ち上がったのが、
「一般社団法人BC-ROBOP海岸工学会」。
通称、ビーチクリーンロボットプロジェクト。
地元 宗像(むなかた)の市民団体の方々はもともと、ビーチクリーンやリサイクルなどできることならなんでもやるというほど積極的に動かれていたそうです。それでも、宗像は地形的・海流的に各地から漂流物が流れてきやすい場所ということもあり、なかなかゴミが減りませんでした。
そこで、九州大学・九州工業大学のメンバーとのつながりをきっかけに、機械の力も借りながら活動ができるよう、学生も参加してビーチクリーンロボットの開発をすることになったそうです。
そして、さらに大きなきっかけになった動きだったのが、宗像市の世界文化遺産への登録のための活動。宗像海域の3つのお宮を含めた「沖ノ島と関連遺産群」が2017年に登録されました。
登録に向けた活動の中で考古学の研究がはじまり、海の歴史から海の環境問題につながったそうです。文化遺産を考えることが海との関係性を見直すきっかけになっているとのこと。
また、ビーチクリーンロボットプロジェクトでは多世代協働を心がけているそうです。
環境活動を続けてきたことで、大学生やさらに下の世代の人たちと活動し、環境のことをしっかり考えてくれる人とのつながりができているそうです。
このプロジェクトでの活動はSDGsの目標14「海の豊かさを守ろう」を中心にSDGsの多くの目標に関わっています。これを人間とロボットの協働で実現していきます。(清野先生)
優しい声でありながら想いを込めて力強くお話しされていました。
人とロボットの得意なことを活かしあう協働
次にこのビーチクリーンロボット開発部隊のリーダーである九州工業大学の富永さんのお話です。清野先生から声をかけてもらって、砂浜でも活動できるロボットの開発をスタートされました。
このプロジェクトのロボットの立ち位置は「人と物理的な空間を共有し、屋外作業を一緒に楽しくできるか」を重要視しています。(富永さん)
富永さんたちが開発したロボットは、販売されているバギーをもとに、人が運転しなくても動くように、自分たちで設計・改良したもの。
モードは2つ。ゴミを拾っている人の後を追って動く「ユーザー追従モード」と事前に決めておいたポイント間を往復する「GPSモード」。浜辺のある一点とゴミの収集所とを往復させて、ゴミを拾った人が近くを通るロボットのカゴにゴミを載せて、ロボットが運んでくれるそうです。
ではなぜロボットを用いたのか。それは、人間が苦手なことをロボットにまかせているからだそうです。例えば、拾って集まった重たいゴミを収集所まで運んでもらうこと。これは人間にとってはとっても大変で苦手なことですよね。
すべてのゴミ拾いをロボットにやってもらえばいいじゃないかと思いがちですが、それはなかなかハードルが高いとのこと。
人間はゴミの判別や複雑な作業が得意。そしてロボットは繰り返しの作業や重たいものも運ぶことができる。このお互いの得意な部分を活かしあって、ロボットと分業して協働していくことに着目しました。(富永さん)
このビーチクリーン活動で将来のロボットのビジョンとして広く周知できることがとっても価値があることだと思って日々活動されているそうです。
・・・
後編では、お話してくださった3名によるディスカッションの内容と「一般社団法人渋谷区SDGs協会」のキッズアンバサダーを勤める小学4年生のさくとくんが描く『海をきれいにするロボット』についてご紹介します。
<<登壇された団体の方々>>
・NPO法人湘南ビジョン研究所
公式サイト
@shonanvision
・一般社団法人BC-ROBOP海岸工学会
HP
・一般社団法人渋谷区SDGs協会(さくとくん)
公式サイト
@sakkun_0207
・エシカルアクション
HP
@ethical_action
☆提携ショップ紹介☆
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