知ってるようで知らない「5G」!これまでの通信技術との違いや歴史をわかりやすく解説します

2015年ごろから提唱され、近年ますます注目が集まり耳にする機会の増えた「5G」

どうやら通信速度が早くなるらしい、、、くらいのイメージはありますよね。

また、すでに使っているスマートフォンの4GやLTEの機能で十分満足で、特にこれ以上の機能は必要ない、と思っている方も多いのではないでしょうか。

ですが実は「5G」が普及することで、世界はこれまでの生活の想像を超える、SFのようなおもしろいものになっていきます。

今回は「5G」とは何か、これからどのように世の中が変わっていくのか、事例を交えながらご紹介していきます。

5Gとは使っている人自身が気づけていない潜在的な需要を見つけていく技術

そもそも、5Gとは何でしょうか。

5Gとは「5th Generation」のことで、「第5世代移動通信システム」と呼ばれています。

その特徴は、「高速大容量通信」「多数同時接続」「超信頼・低遅延」の3つ。

「高速大容量通信」とは、アンテナ技術の発展により可能になった仕組みで、電波を特定の方向へ集中発射する技術「ビームフォーミング」と組み合わせることで電波の強度を上げることで実現しました。これにより、高性能なデータのやりとりが可能になります。

「多数同時接続」とは、1つの基地局への多くのデバイスがアクセスできる仕組みのことです。これにより、通信の混雑による速度遅延が10分の1程度に減ります。

「超信頼・低遅延」とは、デバイスと通信先との経路を短縮したことで可能になりました。これにより、データのやりとりのリアルタイム性がますます上がります。

また、これまでの第1〜第4世代との大きな違いは、「問題解決型」の進歩ではなく「潜在需要の発見」をベースに生まれた技術だということです。

1Gから5Gまでの変遷!10年ごとに大きく進歩してきた通信技術

これまでのインターネット通信の歴史は、10年スパンで大きく変わってきました。

「1G」でアナログの携帯電話が登場

これまで自宅や職場など特定の場所からしかできなかった電話を、持ち運んで利用できるという画期的な開発がされたのがこの1G。

1890年代に登場したこの携帯電話は、社会に驚きをもたらしました。

機能は音声通話のみで、品質など課題も多くありました。

「2G」でメール・インターネットが利用できるように

1990年代。2Gでは、通信のデジタル化に成功し、メールやインターネットが使えるようになりました。さらに電話の品質も向上しています。

電話しかできなかった携帯電話で検索ができるようになり、NTTドコモが1999年に発売した「iモード」が普及、それに続く形でKDDIの「ezweb」、ソフトバンクの前身のJ-フォンも「J-スカイ」のサービスを開始しました。

インターネットでの検索が多くされることで、より高速通信への需要が高まるようになりました。

「3G」で世界における携帯通信の統一基準に

2000年代。これまで地域限定でしか利用できなかった携帯電話でしたが、国際標準の移動通信システムとして3Gが標準化されたことで、利用範囲が格段に増えました。

また、通信速度も大幅に向上したのもこの頃です。

「4G」でスマートフォンの普及を支える、通信の高速大容量化が可能に

2010年代。スマートフォンの利用拡大に伴い、動画やゲームなどのリッチコンテンツと呼ばれるサービスも普及。

通信量も格段に増え、これまでと比べ物にならないくらいストレスフリーにいろいろなサービスが利用できるようになりました。

それが、5Gが導入されることで、さらにスピーディかつリアルになり、自動化され、ますます世界とインターネットを通して繋がることが可能になっていきます。

5Gにかわることで、いろいろなものがますます自動化し、リアルタイムになる

このように進歩してきた技術を現在利用するなかで、冒頭にも述べたように現在お使いの4Gのスマートフォンですでにある程度満足しているという方も多いのではないでしょうか。

ですが、実はここからインターネットはますます私たちの生活に密着し、いろいろなものが自動化し、リアルタイム性が進んでいきます。

ここからは5Gによって進化する事例を5つご紹介します。

1. 2時間分のダウンロードが3秒で完了!動画視聴がますますスピーディに、リアルに

動画といえば、動画配信サイトやYouTubeなどさまざまなものがありますが、これらがますます高速で観られるようになります。

例えば、映画のダウンロード1つとっても、これまでは結構時間がかかりましたよね。それがたったの数秒でできたりします。

また、VR・ARなどの技術と合わせることで、ライブ映像やスポーツをマルチアングルからリアルタイムで視聴することも可能に。違う場所にいながらもその場で見ているような臨場感を味わうこともできるサービスに変わっていきます。

2. リアルタイム通信による自動運転の現実化

実は、5G導入により最も注目されている技術というのが、この自動運転です。

これは、ネットワークにつながった「コネクテッドカー」が導入されることと、5Gの強みである「超信頼・低遅延」があって成り立つ技術です。

混雑緩和が見込まれますし、それぞれが車を保有し運転することが減るため、交通事故の防止につながります。

しかし、データのやりとりに遅延があっては人命に関わる大惨事となってしまうため、リアルタイムであることはマスト条件です。これは、5G導入によって初めて現実化が可能になったサービスとなります。

3. 遠隔診断・手術によって、病気の治療の幅が広がる

「多数同時接続」「超信頼・低遅延」の技術により、たくさんの医療機器をインターネットにつなぎながら遠隔で診断や手術が可能になり、世界中の名医と言われる医師の治療を受けられる機会を増やすことができます。

それはもちろん通信の遅延がなくなる技術が生まれたからこそ実現できるものであり、また、人間による治療の手ブレ補正機能のある機器の開発も進んでいるそうです。

4. お買い物もタッチ1つで完了に

多数の情報を組みわせる、といった観点でいま着目されているのが「Amazon Go」です。

どのようなサービスかというと、専用アプリをインストールしてそのQRコードを入り口のバーコードリーダーでかざせば、そのあとは商品をバッグに入れて持ち帰るだけでお買い物が完了する、というものです。

店内に設置された多数のカメラやセンサーの情報を組み合わせ、どの顧客がどの商品を手に取り、戻し、持ち帰ったかを、機械が正確に判断して金額を算出して、スマホに送ってくれます。

2018年よりアメリカで導入されていて、現在は複数の店舗展開をしているそうです。日本にくる日も遠くないかもしれません。

「5G」により引き起こされるプライバシーや地域格差などの問題

さまざまなものが5Gにまつわるネットにつながることで、デメリットもあります。

まずはプライバシーの問題。短時間に大量の情報をネット上から持ってこれるようになるということは、逆に大量の情報をネット上に上げることも可能ということ。

それにより、個人情報の流出などがこれまでの比じゃないスピードで起こってしまう可能性があります。

情報を抽象化する技術の開発も進んでいるとのことですが、とても重要な問題ですよね。ハッキングの可能性も高まります。

また、地域格差も課題とされています。

5Gにはまず、docomo、au、softbank、楽天の4社が参入していきましたが、その技術が実際に使えるようになるのは、5Gの対応機器が世の中に出回ってからになるでしょう。

対応機器の開発や流通がまずは都心から進むこと、そしてそれに携わる技術をもった人材が不足していることによって、地方での対応が遅れて地域格差が生まれることも懸念されています。

これからの未来を自分から知ることで、5Gの可能性はより広がっていく

まるで漫画や映画で見たSFのような技術がどんどんリアルに世の中にあふれていくようで、とてもわくわくしてきますね。

まずはこのような新しい技術に対して、拒否反応を起こさずに受け入れて、もう一歩知る努力をすること。

そうすることで自分の生活の効率をぐっと上げることができ、ほんとうにやりたいことや好きなことのために使える時間が増えて、ライフスタイルがますます豊かになっていきます。

同じ24時間を、もっと濃く、充実させられたらいいですよね。

2020年代からこの先世界がどうなっていくのか、みなさん自身も描いてみてはいかがでしょうか?

もしかすると、次の未来の技術のアイデアを生み出すはみなさんかもしれませんね。

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