空気読みすぎてない? アラサー共感の嵐!人生に疲れた女子は『凪のお暇』を読め!

ついつい周りに合わせてしまったり、同意できなくても同意したふりをしてしまったり、自分の意見をぐっと抑えてしまうことはありませんか? 大人になって、学生の頃より付き合う人も友人も選べて自由なはずなのに、どこか生きにくい……。

誰しもが一度は思う、「人生やり直したい!」。その思いを体現した主人公・凪に、共感と羨望を感じるこちらの作品。ちょっとだけモヤモヤを抱えて生きる方におすすめのマンガ『凪のお暇(いとま)』をご紹介します。

アラサー女子の共感の嵐!『凪のお暇』とは?

主人公は、28歳、都内勤務のOL・大島凪。彼女の口癖は「わかるー」。心の中では「空気読んでこ!」と自分を励まし、周りとうまくやることだけにとにかく必死になっています。

同僚からのマウンティングや上司からの理不尽な指摘に傷つきながらも、空気を読み、想いをぐっと飲み込み受け入れる毎日。そんな「なんだかなあ」な毎日を過ごしている彼女には、唯一の心のよりどころが。それは、会社に内緒で、エース営業マンの我聞慎二と付き合っていること。

しかしある日、彼の心無い一言が引き金となり、凪の心はついに限界。過呼吸で倒れてしまいます。それをきっかけに凪は、仕事を辞め、恋人とも別れ、都会から消え、都落ち。そこから始まる、女・28歳の人生リセットストーリーです

『凪のお暇』はアラサーの憧れ!?

周りに気を使いすぎて、心が疲弊した凪のように、社会が勝手に決めた「当たり前」や「こうあるべき」を背負わされ、空気を読むことに慣れてしまったアラサー女子にとって、『凪のお暇』は、憧れであり、希望ではないでしょうか。すべてを捨てて、新しい土地で自分自身や人生を見つめなおし、新しい友人関係を築きなおしたり、自分の大切なものを大切にしたり……。『凪のお暇』には、アラサーの共感を呼ぶ3つのポイントがあります。

かけがえのない仕事?誰にでもできる仕事?「アラサーの仕事観」

凪の職場は、人間関係が絶妙に窮屈です。パワハラ、セクハラはないけれど、同僚からマウンティングされ、上司からは評価されずで、お給料は悪くはないけど職場環境は良くもない、そんな仕事です。空気を読むから、雑用ばかり押し付けられ、自分がやっていないミスも、空気を読んで怒られてしまう……。陰口を叩かれても、黙々と残業を受け入れます。

凪の年齢(28歳)は大卒で就職したとしたら、社会人歴は6年目。ある程度、会社や社会に慣れ、仕事に対してできる幅も責任も増えてくる時期ですよね。そんな中、完璧に仕事をしても他人に手柄を取られ、理不尽に叱られたら、「やってられなーーい!」と思ってしまいますよね。空気を読んで本当のことを言えない経験がある人にとっては、ぐぅっと胸に突き刺さるものがあるはずです。

最上級の自己肯定感!「アラサーの結婚観」

凪の唯一の精神的な支えは、彼氏の慎二の存在。年齢的にも結婚が視野に入り、凪も例にもれずそうでした。凪は、慎二と結婚することで、「自分のなんでもない毎日が全部ひっくり返る」と考えていました。凪にとって、結婚は人生逆転のチャンス。結婚さえすれば、モヤモヤな日々から脱して、幸せになれると思い、精神的に慎二に依存しています。

アラサーの結婚観がリアル。相手のことが好きだから結婚したい、のではなく、結婚することで心の平穏や自己肯定感を満たしたい。結婚ですべてが変わるとは思えないけれど、可能性にかけたい。ある意味、「現実逃避」にも似た結婚観は、仕事やプライベートで悩んだ時に、一度は考えてしまうことではないでしょうか。

もちろん、それが本人の幸せなのであれば良いのですが、凪の場合は、完全に結婚を逃避として捉えていました。同じアラサーとして、筆者もその気持ちはわかる……!しかし、結婚しても、自分が変わるわけではないし、自分はずっとついて回るものですよね。結局、自分自身の問題ってなにも解決しないわけです。

決めた時からがスタート!アラサーが直面する「自分の本当になりたい姿」

仕事も結婚する未来もすべてを捨てて、東京の外れで人生を立て直すことにした凪。凪が最初にやったことは、図書館に行き、自己啓発本を読むことでした。すべてのしがらみから解き放たれ、空気を読むことが必要なくなった時、ようやく凪は「自分が本当はどう生きたいのか」を考え出します。

しかし、書こうとも書こうともペンは進まず、夢リストは白紙のまま……。「自分の理想」が思い浮かばない事実に直面します。時間をかけて丁寧にブローしたストレートヘアを止め、生まれつきの天然パーマの姿で生活をし、オフィスカジュアルからラクチンなスタイルにするような「小さな変化」はすぐできても、「考え方」や「理想」を描くような「大きな変化」には時間がかかるのです。

「今のままは嫌だ!」「何か変えたい!」と思いつつも、「どう変えたいのか」、「どうなりたいのか」がわからない凪。人から言われたことを「受け入れる」ことに慣れすぎるあまり、自分の将来のなりたい姿を描けない方って、意外と多いのではないでしょうか。本当は何をするのが好きで、本当はこうしたくって……と自分とじっくり向き合うことで見えてくるものがあるはずです。

凪のように「お暇」をもらわなくても、1日1日をどう生きるのか、1年後、5年後、10年後はどうしていたいのかなど、ノートに書いて考えてみるものいいですね。自分の目標を決めて、その未来に少しでも近づくように努力していったら、きっと日々感じるモヤモヤは消えるのではないでしょうか。

だから『凪のお暇』を読もう!

『凪のお暇』はアラサーが避けて通りたい、できれば直面したくないことばかりが描かれています。人によっては、心の柔らかい部分をえぐってくるような衝撃もあるかもしれません。

しかし、『凪のお暇』から教わることは、「人はどこからでも変わることはできる」ということ。凪のように、都落ちする必要はないかもしれませんが、夢ノートを書いたり、言いたいことを言ってみたり、人間関係を断捨離したり、新しいことをするチャンスはどこにでもあります。ようはそれを「やるか」「やらないか」の違い。凪は、すべてを捨てて、新しいスタートを切りました。自分で選ぶ、自分から話しかけてみる、自分から友だちを作る、自分で決めるからこそ、人生は楽しいのだと教えてくれます。

いま、「変わりたい」と思っているあなたにこそ、読んでもらいたい。変わっていく凪の姿に、勇気と希望をもらえますよ。

あなたにおすすめ